2003 Fiscal Year Annual Research Report
働く女性のジェンダーロール・ストレスが月経周辺期の健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
15592274
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 伸子 九州大学, 医学部, 教授 (60304846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加耒 恒壽 九州大学, 医学部, 教授 (60185717)
平野 裕子(小原 裕子) 九州大学, 医学部, 助教授 (50294989)
豊増 公次 久留米大学, 健康スポーツ科学センター, 教授 (50172218)
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Keywords | 伝統的性別役割 / 多重役割 / 働く女性 / ジェンダー / ストレス / フォーカス・グループ・ディスカッション / グラウンデッド・セオリー |
Research Abstract |
本研究は、我が国に根強く残っている伝統的性別役割意識および多重役割によって、働く女性に生じるストレス(以下、ジェンダー・ストレス)が女性特有の健康問題にどのように影響するかを明らかにすることを目的とした研究である。本年度は調査対象を市役所、看護師、小学校教師である既婚公務員とし、フォーカスグループディスカッションおよび分析を行った。家庭生活を中心とした夫婦間でのストレス、夫婦間で起こるストレスへの対処方法、夫のコミュニケーションの取り方、夫からのサポートについて得た情報を質的に分析した。分析法には、グラウンデッド・セオリーを用いた。この手法で先駆的な韓国・梨花女子大学にて情報収集を行いつつ進めた。分析はOpen coding, Axial coding, Selective codingの3つのコードで構成した。データからカテゴリーを見いだし、命名し、類似のグループに分類した。これは理論構築につなげていくための初期のプロセスである。抽出されたすべてのカテゴリーからサブカテゴリーを作成し、中核となるカテゴリーを他のカテゴリーと体系的に関係づけ概念化した。その結果、「看護師」における「働く女性のジェンダーロール・ストレス」は、「日本の看護師は、夫婦相互の対話戦略をもって、多様な方法を用いて話し合う。日本の夫婦は話し合うために、お互いに妻の方は夫を配慮し、夫は妻の理解を得るために戦略を立て、多様なマスコミや性生活を通して様々な対話を交わす。しかし、対話の時には直接顔を合わせず、また妻の勤務時間とも合わないために、家では対話のない場合もある」として創出できた。他職種についてもパラダイムモデルを作成中である。
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