2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器がん患者と家族のニーズに沿った外来における術後サポートプログラムの開発
Project/Area Number |
15592288
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
水野 道代 石川県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70287051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 美穂 石川県立看護大学, 助手 (60347359)
有田 広美 石川県立看護大学, 助手 (30336599)
相川 奈津子 石川県立看護大学, 助手 (20336598)
|
Keywords | 手術 / 大腸がん / 外来看護 / サポートプログラム / 継続ケア / 適応 / インタビュー調査 / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、消化器がん患者と家族のニーズに沿った外来における術後サポートプログラムを開発することにある。患者のニーズに合った効果的な介入方法を導き出すために、本年度はがん患者と家族にインタビュー調査をおこなった。調査は研究者の所属施設及び調査施設の倫理委員会の承認を得た上で実施した。対象はA・B2施設の外科外来を受診した大腸がん患者計12名(男性7名、女性5名)とその配偶者4名(男性1名、女性3名)であった。12名はすべて退院後6ヶ月以内の患者で、その平均年齢は66.2歳、家族の平均年齢は64.8歳であった。インタビューでは(1)患者が捉えた術後の経過、(2)現在の身体的、心理社会的問題に対する思いや考え、(3)その問題に対する対処状況、(4)問題や適応課題に対する見通しについて患者に尋ねた。家族には左記の患者の状況をどのように捉えるかを尋ねた。そして逐語録に起こしたインタビュー内容を質的方法によって分析した。 分析の結果4つのカテゴリー:「大腸がんで手術を受けたと自覚した結果」「順調な生活に必要な事柄」「快気するまでのハードルが高いと思う理由」「自分で対処する理由」が明らかになった。各カテゴリーは複数の下位カテゴリーを持っていた。たとえば「大腸がんで手術を受けたと自覚した結果」の下位カテゴリーは、生きている自分に気付く、病気の苦しみが分かる、再発が気になる、死や死ぬことについて考える、感謝する、価値観が変わる、健康管理の必要性を痛感し実行する、気を遣う・関心が高まる、人の痛みを共有できる、物事を深く考えるといった内容によって構成されていた。 さらにこれらの結果を用いて、術後6ヶ月以内の大腸がん患者の適応課題14項目を取り出し、各適応課題を説明するシナリオを記述した。そして各シナリオに対する看護ケアをリストアップして、それぞれのケア目標を設定することによって基準プロトコールを作成した。
|