2004 Fiscal Year Annual Research Report
術後の起立性低血圧予防を中心とした早期離床プログラムの開発と有効性の検証
Project/Area Number |
15592292
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
種池 禮子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10259426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 雅子 三重大学, 医学部, 教授 (70266211)
藤田 淳子 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00259433)
笹川 寿美 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60322898)
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00321068)
|
Keywords | 起立性低血圧 / 姿勢変換 / 早期離床プログラム / 客観的指標 / 自覚症状 |
Research Abstract |
1)研究目的:手術後の早期離床は術後合併症を予防し回復を促進する効果をもたらす。しかし、予備力が低下している高齢者の早期離床は、起立性低血圧による転倒事故などの危険性を伴う。本研究では、消化器手術を受ける高齢者の手術後離床時の起立性低血圧予防する安全な早期離床プログラムを作成するための基礎資料を得ることを目的とした。研究期間は2年間であり、15年度は健常者のデータを収集した。16年度は健常者のデータの分析と実際に手術を受ける患者のデータを収集・分析した。結果を以下の2つにまとめた。(1)健常者の安静臥床後の能動的姿勢変換(自由な動作)と段階的姿勢変換(臥床→側臥位→ファーラー位→座位→立位)に伴う、血圧・心拍数、自覚症状を比較する。(2)消化器手術を受ける高齢者の手術後の初回離床時の血圧・心拍数、自覚症状を調査する。 2)研究方法:研究(1)の対象は15年度と同様。研究(2)の対象は消化器手術を受けた40〜70歳代の患者7名であり、内視鏡下手術2名、開腹術5名である。測定項目は、血圧、心拍数、自覚症状は16項目を6段階で評価した。京都府立医大で人間を対象とする医学研究審査会の承認と対象者から同意を得て実施した。 3)結果・考察:健常者の段階的姿勢変換は、最初の変換である臥床から側臥位の変換時に起立性低血圧とみられる血圧変動を示す例が多かった。客観的データと自覚症状とは必ずしも一致せず、その傾向は段階的姿勢変換に顕著であった。消化器開腹手術後患者の初回離床時に最も血圧値が変動したのは、歩行後の端座位開始から3分後までの動作時であり、収縮期血圧は19〜59mmHg低下した。開腹手術患者4名に起立性低血圧徴候と同時に自覚症状を認めた。手術後患者の早期離床をすすめるために、術後最初の離床時には自覚症状だけでなく血圧などの客観的な指標の評価が必要なことが示唆された。
|
Research Products
(2 results)