2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659261
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山西 清文 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10182586)
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Keywords | 魚鱗癬 / トランスグルタミナーゼ / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 疾患モデル / 角化症 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究では、魚鱗癬皮膚形成に関わる代償性表皮再構築システムの解明を目的に、トランスグルタミナーゼ1遺伝子異常に起因する遺伝子発現プロフィールの変化を機能ゲノム学的に解析して表皮再構築システムに関わる機能遺伝子の同定を試みた。まず、トランスグルタミナーゼ1欠損マウス(TGM1 KO)、および同腹の対照マウスより得た表皮で発現する遺伝子を網羅的に解析した。正常対照およびTGM1KO皮膚からmRNAを調製し、蛍光ラベルcDNAプローブを作製後、FANTOMデータベースのマウスcDNAから6,000の遺伝子をプロットしたcDNAマイクロアレイを用いてスクリーニングした。その結果、TGM1欠損に続いて38遺伝子の発現増加と、236遺伝子の発現減少が検出された。これらの遺伝子には、表皮の構築に重要と思われる角化関連遺伝子をはじめ、各種サイトカイン遺伝子、プロテアーゼ、プロテアーゼインヒビター遺伝子が含まれていた。このスクリーニングの結果に基づいて、各遺伝子のリアルタイムRT-PCRによる定量的発現解析を実施した。その結果、10遺伝子に有意な発現上昇が確認された。そのなかで、脳皮膚セリンプロテアーゼ(BSSP)遺伝子に注目し、TGM1KO皮膚、ヌードマウス移植魚鱗癬モデル皮膚、および実際の先天性魚鱗癬皮膚を用いてin situハイブリダイゼーションを行ったところ、BSSP遺伝子の高発現が見出された。以上の結果から、BSSP遺伝子はTGM1の変異によって発現誘導され、魚鱗癬皮膚の形成に関与することが示唆された。
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