Research Abstract |
本年度は,昨年度購入した並列処理計算機上で動作する神経回路網のシミュレーションライブラリの整備を進めるとともに,(1)提案する上位学習法の,画像の補間による超解像への適用,および(2)画像内にある特定の対象の検出についての研究を進めた.(1)については,実際に神経回路網による学習的な画像の補間超解像法を提案し,開発した上位学習ライブラリを用いてそれを実装した.その結果,従来の補間法に比べ,主観的にも客観的にも高精細な画像補間による超解像が可能であることが示され,国際学会(AIA2005)においてその成果を報告した.今後,外部企業の協力を得て,この方式を動画補間等に適用できるよう,ハードウェアによる実装を検討している.また,昨年度提案した高次統計量を利用して画像分類を行うサポートベクターマシン(SVM)については,国際学会(IJCNN'04)で報告を行い,現在論文誌への投稿の準備中である.さらに(2)については,外部の自動車企業から車載カメラ画像データの提供を受け,これを道路標識検出/認識に応用する研究を進めた。この研究では,カメラ画像中で様々な見かけの大きさで観測される道路標識のサイズ不変な検出/認識を可能とするための座標変換法を提案し,車の走行に従って変化する道路標識の大きさが,変換後の座標系においては一定の大きさで観測されることを理論と模擬実験の両面から確認した.現在,上記のSVMを用いて,この変換後の座標系における道路標識の検出を行う実験を進めている段階であり,結果が得られ次第,関連学会に報告していく予定である.
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