2003 Fiscal Year Annual Research Report
3テスラ高磁場functional MRIを用いた大脳優位半球の同定
Project/Area Number |
15790781
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福永 篤志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10265829)
|
Keywords | fMRI / 大脳優位半球 / 正中神経刺激 / 唇とがらし運動 |
Research Abstract |
本研究は、functional MRIという非侵襲的な方法によって、被験者の優位半球を同定するための普遍的な課題を確立することが目的である。本年度は、正中神経微小電気刺激、唇とがらし運動、finger tappingを行い、それぞれの課題による大脳皮質の活動分布の違いについて検討した。 1)正中神経微小電気刺激 まず、各種電極を購入し、実際の使用下でのノイズの確認を行った。次に、文書により同意を得た、右利き20名、左利き4名の健常成人に対し、両側正中神経に電気刺激を行った。右利きの場合、右正中神経刺激で左大脳皮質感覚野に活動が見られたのは16名(80%)、左刺激で右大脳皮質感覚野に活動が見られたのは15名(75%)であった。一方、左利きの場合、左刺激で右感覚野に活動が見られたのは4名(100%)、右刺激で左感覚野に活動が見られたのは3名(75%)であった。以上より、利き腕の方が、対側1次感覚野に反応が出やすい傾向があった。 2)唇とがらし運動 文書により同意を得た、右利き7名の健常男性に対し、唇とがらし運動中の大脳皮質BOLDシグナルを検出した。その結果、全例左側に大きく活動が見られ、それぞれのvoxel数を平均し、paired t-testにて統計学的に検討したところ、左側が有意に多かった。また、大脳皮質感覚運動野にROIを合わせ、経時的な%BOLDシグナル変化を検討したところ、左側のほうが右側よりも、%BOLDシグナル値が2倍も大きかった。これは、優位半球との関連が示唆され、興味深い結果であった。 3)finger tapping 右手、左手、両手の3種類の課題を行ったところ、それぞれ大脳皮質感覚運動野に強い活動が見られた。しかし、左右差については、明らかな傾向は見出せなかった。 次年度は、さらに症例を増やし、検討を加えていく予定である。
|
Research Products
(1 results)