2016 Fiscal Year Annual Research Report
がんイメージングと治療を目的とした多機能性ペプチドー金属ナノプラットフォーム
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15F15055
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川本 益揮 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 専任研究員 (70391927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAO HONGLI 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ポリペプチド / 集合体形成 / ナノ構造体 / 細胞内取り込み |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度ボトムアップ的手法を用い,両親媒性ペプチドから様々な長さを有するペプチドナノチューブの調製に成功した。また,このナノチューブの細胞取込に関する検討をおこない,取込には最適な長さがあることを明らかにした。 これらの知見をもとに,今年度はまずペプチドナノチューブのヘテロ接合化に関する研究をおこなった。その結果,2種類のペプチドナノチューブの接合,無電荷ナノチューブと正電荷ナノチューブとのヘテロ接合化に成功した。 昨年度の結果より,ペプチドナノチューブはenhanced permeability and retention (EPR) 効果によるドラッグデリバリーにおいて細胞到達性を有する薬剤キャリアに応用できると考えた。そこで、① 細胞取込に優れた長さのナノチューブへ薬剤を担持する研究(治療)と,② ナノチューブを近赤外蛍光プローブで標識する研究(診断)に注力した。① の結果として,ペプチドナノチューブ分散液に,異なる両親媒性ペプチドからなるナノシートを混和すると,シートがチューブの開口部を塞ぐことがわかった。また開口部を塞いだナノチューブがヨウ化プロピジウム (親水性蛍光剤) や,ドキソルビシン (親水性抗がん剤) を内包し,3日以上漏出しないことを確認した。さらにドキソルビシン内包ナノチューブは市販のドキソルビシンに比べ,がん細胞に対する成長抑制効果を示した。② の結果としては,近赤外蛍光プローブで標識したナノチューブをマウスに投与し,近赤外蛍光像を観察した。その結果,ナノチューブはEPR効果によって数時間以内にがん部位に集積した。また導入したナノチューブは血中に残らずクリアランスされるため,診断プローブとして有用であることがわかった。 以上の結果より,ペプチドナノチューブが治療と診断の双方に適用可能な優れたペプチドプラットフォームであることを明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)