2019 Fiscal Year Annual Research Report
社会脳を創発するソーシャル・インタラクション:二つの脳の融合に向けて
Project/Area Number |
15H01690
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
苧阪 直行 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (20113136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘆田 宏 京都大学, 文学研究科, 教授 (20293847)
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
苧阪 満里子 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 主任研究員 (70144300)
坪見 博之 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (70447986)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会脳 / 同期行動 / ハイパースキャニング / 認知脳 / fNIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
社会は自己と他者が協調することで進化・発展し、豊かな社会性を育んできた。社会が複雑になるにつれて社会性を育む脳の前頭葉の体積が増加してきたと考えられる。人々は社会環境の変化に適応して生き残るため協力してきたが、協力を導く共感意識の形成過程とその脳内機構は未解明である。ヒトはなぜ協力するのか?その理由は、志向性の共有、つまり自他間で一つの目的の達成に向けて、意図を共有し心を接続し合うことにあると考えられる。例えば、古代から祭祀における踊りや共に歌うことは人々に身体的共感や音声的同調のリズムの共有を生み、複数の人々に共感や協調、そして社会性の心を育んだと考えられる。本課題では、社会脳のメカニズムを前頭葉を中心とする脳内ネットワークの働きから解明し、また社会性の適応障害の原因と改善法の探求を進めることで、健全で豊かな社会脳の働きを検討した。複数人が協調して課題を達成する際の社会脳の働きを観察できるハイパースキャニング(HS)法を導入し、複数の脳がひとつの心に融合する過程を脳イメージング法を用いて検討した(目標1)。複数参加者を対象としたfNIRSによるHS実験を、合唱という同期的行動を指標として検討し、WTC相関法で解析した結果、前頭葉下部領域に他者との行動の同期をとる領域を認めた。また、fMRIで社会性疾患患者を社会脳ネットワークの機能不全から検討し、適応障害の予防や改善の方法を検討した(目標2)。患者の脳の灰白質体積の減少が文化の影響を受けること、社会不安症患者が認知的共感において困難をもつことなどが示された。これらの研究成果をもとに、豊かな社会性を支える協調の複数脳統合の一般化モデル化を考えた。 以上の一連の融合的研究を通して、社会脳を創発する社会的同期行動の基礎となる脳内過程の解明のについては十分に明らかにされたと考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Capacity differences in working memory based on resting state brain networks2021
Author(s)
Osaka, M., Kaneda, M.,Azuma, M.,Yaoi, K., Shimokawa, T., & Osaka, N.
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Journal Title
Scientific Report
Volume: 11
Pages: 19502, 1-11
DOI
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