2018 Fiscal Year Annual Research Report
GISの標準コアカリキュラムと知識体系を踏まえた実習用オープン教材の開発
Project/Area Number |
15H01782
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (80221852)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 地理情報科学 / 教育 / 実習 / 教材 / ソフトウエア |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトで開発しているオンライン教材である「GIS実習オープン教材」の内容を充実させるとともに、同教材を用いて東京大学理学部等で授業を実践して学習効果を検証した。基本的なGISの操作や分析に関する教材に加えて、GISソフトウェアとプログラミング言語のPythonを組合わせたデータ処理手法を解説した教材を新たに整備した。後者の教材は、文系の学生でもプログラミングによるGISのデータ処理が容易に理解できるように工夫して設計した。2018年6月から、教材のアクセス数を把握するため、Google Analyticsを用いたアクセスログの収集を実施した。その結果、2018年6月から2019年3月までに、累計16万回のアクセスが確認できた。 さらに、幅広い対象者を想定した教材の普及活動も実践した。具体的には、Twitterによる情報発信、中高生向けGIS活用ワークショップの開催、博物館でのGIS関連機器の展示を行った。Twitterによる情報発信は、11月にアカウントを開設して教材の改良、学会発表、イベント等の情報を発信した。中高生向けGIS活用ワークショップは、日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」の制度を活用し、「デジタル地図とスマホ、ドローン、3D プリンタで自然環境と人間生活を調べよう!」のタイトルで8月に44名の中高生を対象に行った。この際には、教材で解説されているGISの基本概念、GISによるデータ処理手法、およびGIS関連機器の活用手法を解説した。また、滋賀県東近江市の西堀榮三郎記念探検の殿堂博物館で行われた機器展示では、教材で解説されているドローンの活用法や、3Dプリンタによる地形模型とその作成手法を紹介した。 その他に、教材に将来的に応用できる可能性がある地理情報システムを用いた応用研究を、研究協力者の早川裕弌氏や瀬戸寿一氏らとともに進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要なプロダクトである「GIS実習オープン教材」の内容が充実し、プログラミング等を含めてより体系的にGISを学習できるようにもなった。大学での授業実践では、受講者はGISの操作を難しいと感じやすいものの、本教材を用いることにより、理解度と満足度の高い実習を行うことができた。さらに、アクセスログから、教材が社会に広く普及しつつあることが確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
教材を実習授業で使用した際のアンケートの結果等を参考にしつつ、現在の教材を細部を含めて改良する。オンライン化した教材の使用状況を詳しく調べ、社会により広く貢献する教材を追加することも検討する。また使用しているソフトウエアのバージョンアップへの対応も適宜行っていく。
|
Research Products
(26 results)