2015 Fiscal Year Annual Research Report
リスクモードとオンラインモニタリング技術高度化に着目した未然防止体系の新展開
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15H01786
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鈴木 和幸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00130071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 誠 筑波大学, システム情報系, 教授 (00282343)
田中 健次 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 教授 (60197415)
津本 周作 島根大学, 医学部, 教授 (10251555)
山本 渉 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 講師 (30303027)
長塚 豪己 中央大学, 理工学部, 教授 (30384738)
佐藤 直樹 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70291721)
金 路 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (00436734)
横山 真弘 中央大学, 理工学部, 助教 (40735354)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 品質管理 / 信頼性工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記の2ステップに焦点を置き、活動をすすめた。 ステップ1)リスクモードの概念の確立と各分野への展開を目的とした研究組織・体制の確立: (1)次世代品質信頼性情報システム融合研究ステーションを基に共同研究の体制を構築した。(2)2015年6月に信頼性国際会議Mathematical Methods in Reliability(MMR2015)(研究代表者 鈴木和幸が組織委員長)を主催し、製品安全分野のリスクモードに着目した未然防止体系に関する基調講演とともに、当該のセッションを開設し、国内外の関連研究者を統括し、研究の方向性を議論した。 ステップ2)製品安全分野のSRiMの構築とその汎用化:9名の研究分担者、2名の連携研究者、4社の企業の方々との協同の下、下記の検討を推し進めた。(1)独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の1998~2014の事故情報データベースを用いて、リチウムバッテリー(LiB)の個々の事故事象197件に対し、“ハザード-故障モード(FM)-トップ事象モード(TEM)-影響”を抽出し、さらにこれを一般化・抽象化したSRiM辞書を作成した。この結果、FMは内部短絡、TEMは熱暴走が8割を占めていることが判明した。(2)2012~2015の建設施工現場の労災事故を分析し、LiB同様“ハザード-故障モード(FM)-トップ事象モード(TEM)-影響”を抽出し、SRiM辞書を作成した。さらに、労災事故未然防止への原因系であるハザードに着目し、「①組織として、ルール・標準が確立しているか?②組織として、ルール・標準の教育・訓練が充足しているか?③作業者が、ルール・標準通りに行動しているか?④ルール・標準が適切か?」の視点からの分析を行い、SRiM体系の充実を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究の体制の構築、ならびに2015年6月に信頼性国際会議Mathematical Methods in Reliability(MMR2015)(研究代表者 鈴木和幸が組織委員長)を主催し、製品安全分野のリスクモードに着目した未然防止体系に関する基調講演とともに、当該のセッションを開設し、国内外の関連研究者を統括し、研究の方向性を議論することができた。また、9名の研究分担者、2名の連携研究者、4社の企業の方々との協同の下、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の1998~2014の事故情報データベースを用いて、リチウムバッテリー(LiB)の個々の事故事象197件に対し、“ハザード-故障モード(FM)-トップ事象モード(TEM)-影響”を抽出し、さらにこれを一般化・抽象化したSRiM辞書を作成した。この結果、FMは内部短絡、TEMは熱暴走が8割を占めていることが判明することができた。さらに、2012~2015の建設施工現場の労災事故を分析し、LiB同様“ハザード-故障モード(FM)-トップ事象モード(TEM)-影響”を抽出し、SRiM辞書を作成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ステップ1)リスクモードの概念の確立と各分野への展開を目的とした研究組織・体制の確立:電通大での定例会議化を図る。 ステップ2)製品安全分野のSRiMの構築とその汎用化:H27年度に実施したLiB、建設労災事故のSRiM辞書をさらに抽象化・一般化し、SRiM体系のbrush upを図るとともに、医療、輸送・社会インフラへの適用を図る。 ステップ3)未然防止を目的とする一気通貫プロセスとしてのSRiM2Sの構築:H27年度に検討したSRiM辞書を念頭に置き、多様な個別の顧客視点を一気通貫に見ることによりValidationを実現することを主眼とした製品安全分野のSRiM2Sの構築を目指す。このとき、生産履歴情報、個別顧客の使用・環境条件、FM、TEM、影響等への着目が重要である。具体的には、製品Aの従来品に対し、使用・環境条件(温度・湿度・使用頻度・容量等)・メーカーの違いによる市場性能劣化データを収集・分析する。この分析に基づいて、使用・環境条件とその性能への影響度を分析し、SRiM2Sの構築を目指す。以上を、労災事故の未然防止目的にも活用・適用する。
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Research Products
(21 results)