2016 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な社会保障制度構築のための病院等施設サービス機能に関する総体的比較研究
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15H01920
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 智章 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (90177460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
松本 勝明 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (80272300)
西田 和弘 岡山大学, 大学院法務研究科, 教授 (70284859)
関谷 勝 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10115040)
松本 由美 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (90627689)
田中 伸至 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80419332)
原田 啓一郎 駒澤大学, 法学部, 教授 (40348892)
片桐 由喜 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80271732)
水島 郁子 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (90299123)
川久保 寛 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90706764)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療資源 / 医療の質 / 診療報酬 / サービス評価 / 患者の権利 / 医療体制 / 社会保険方式 / NHS方式 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 本研究課題の中核となる「医療の質」と「医療資源の合理的配分」のうち、2016年度は前者を集中的に研究することとした。ここでは、構造、プロセス、結果、サービスの質評価に着目し、研究会において①各国の医療サービスの質を評価する制度について報告すること、医療サービスの評価制度に関する報告では、②医療サービス評価の仕組みは存在するか、③当該医療サービス評価の仕組みに法律の根拠はあるか。法制度ではない場合、どのような位置づけか、④当該医療サービス評価の仕組みの内容は、どのようなものか、⑤人格権、プライバシー、個人情報保護など法規範との関係を意識した制度設計上の配慮や議論は見られるか、に留意することとした。これと平行して、国際的な研究交流を行うこととした。なお、日常的な情報交換については、「世界の医療保障・診療報酬」というタイトルで開設しているDropboxとメールを活用している。 2 活発な研究交流として、5月7日に北大においてフランス・グルノーブル大学ステファン教授を招いて「医療保障体制の国際比較―フランスにおける普遍性・明確責任性・安定性」、また10月1日には九州大学においてドイツ・マックスプランク研究所・ベッカー教授「ドイツにおける医療保険システム」というタイトルのもとで研究会を開催した。また、10月16日には、病院評価機構の評価員である西元晃先生から「医療サービスの質評価―病院機能評価の意義・効果・課題」について講演していただき、質疑応答を行った。 3 訪問調査としては、9月30日に熊本赤十字病院、さらに、アジアの中では医療評価に関するトップランナーである台湾・醫院評鑑且醫療品質策進會を2017年3月14日に訪問し、ヒアリングと意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度における研究の柱を「医療の質」に絞ったうえで、質評価については、・自己評価か第三者評価か、・評価の仕組みの構造と過程・手続きはどのようなものか、・評価基準はどのようなものか、・評価結果はどのような効果を持つか、診療報酬など別のサブシステムとリンクしているか、などを論点として設定し、医療保障体制の分析と論点の整理、各国病院制度に関する情報収集、分析軸と検討仮説の提示とその共有化に向けて、定期的な研究会を順調に消化し、研究分担者等との意見交換や情報提供も活発に行うことができた。また、海外の専門家の招聘も決定し、先端的な知識の共有化も実現した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き各国の医療供給体制に関する情報収集に務める一方、国内の地域研究、海外での現地調査および海外専門家との交流拡大に重点を置いて、合理的効率的に研究費の運用を行う。具体的な論点整理や現地調査にむけて、各班ごとの個別研究会も必要に応じて開催するのは、これまで通りである。
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Research Products
(23 results)