2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02500
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50115929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 雄樹 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00378027)
辻 琢磨 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (40725628)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 脂肪滴 / 膜脂質 / 脂質ドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 急速凍結・凍結割断レプリカ標識法でホスファチジルイノシトール3,4-二燐酸[PI(3,4)P2]の分布をナノレベルで可視化する方法を確立した。異なるイノシトール燐脂質を含むリポソームの凍結割断レプリカを用いることにより、TAPP1のPHドメインと GSTを融合させたリコンビナントタンパク質が PI(3,4)P2に特異的に結合することを確認した。この方法でNIH3T3細胞を検索すると、通常培養条件下の細胞ではほとんど標識が得られないが、10 mM 過酸化水素や50 ng/ml PDGF で刺激した細胞では細胞膜の細胞質側膜葉にほぼ均一に分布する強い標識が見られた。しかしPI(4,5)P2とは異なり、カベオラ周囲への集中は見られないことが明らかになった。 2) 静止期および窒素飢餓時の酵母で見られる脂肪滴のオートファジー(リポファジー)について急速凍結・凍結割断レプリカ標識法を用いて検索し、液胞(リソソーム)でのミクロファジーがラフト様ドメインの陥凹で起こること、ラフト様ドメインの形成には 酵母の NPCタンパク質オルソログ(Ncr1, Npc2)によるステロール輸送が必要であること、窒素飢餓時のリポファジーに必要なステロールは多小胞体の内部小胞が供給源になっていることなどを明らかにした。この結果は脂肪滴ミクロファジーの分子機序を明らかにした新規性の高い発見であり、また同時に NPC タンパク質が細胞内のステロール動態の制御とともに液胞膜のステロール濃度制御に重要な役割を持つことを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホスファチジルイノシトール3,4-二燐酸を標識する方法を新たに確立でき、また脂肪滴のミクロファジーを引き起こす分子機序についても新規の知見を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
新たに複数の膜脂質のナノレベル分布を可視化する方法を確立し、細胞内の膜脂質動態についての検索を多角的に進める。脂肪滴のミクロファジーに関わることが示唆されている複数のタンパク質の解析を進める。さらに核内脂肪滴とそれに近接して見られる核膜延長構造の関係、核内脂肪滴の形成機序の解析を進める。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
[Journal Article] Acute accumulation of free cholesterol induces the degradation of perilipin 2 and Rab18-dependent fusion of ER and lipid droplets in cultured human hepatocytes2016
Author(s)
Makino A, Hullin-Matsuda F, Murate M, Abe M, Tomishige N, Fukuda M, Yamashita S, Fujimoto T, Vidal H, Lagarde M, Delton-Vandenbroucke I, Kobayashi T
-
Journal Title
Mol Biol Cell
Volume: 27
Pages: 3293-3304
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
[Presentation] 出芽酵母リポファジーの解析2016
Author(s)
藤本豊士、辻琢磨、藤本萌、折井みなみ
Organizer
第39回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
Year and Date
2016-11-30 – 2016-11-30
Invited
-
-
-
-
-