2016 Fiscal Year Annual Research Report
自然現象や社会現象から得られる時空間データの統計モデリングと現象の理解の研究
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15H02670
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西井 龍映 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40127684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章司郎 広島経済大学, 経済学部, 教授 (00197427)
二宮 嘉行 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (50343330)
増田 弘毅 九州大学, 数理学研究院, 教授 (10380669)
前園 宜彦 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30173701)
松田 安昌 東北大学, 経済学研究科, 教授 (10301590)
持田 恵一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
恩田 義彦 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (50547073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時空間モデリング / 遺伝子発現 / 太陽活動 / 倍数体 / 森林減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は代表者・分担者との協働により、 時空間の実データに対して統計モデルを開発・評価し、当該現象の特徴を把握することを目的とする。2016年度では植物の遺伝子間ネットワークの推定、 環境時空間データのモデリング、 色認識空間における楕円の推定等を研究した。 公開された論文の概要は以下の通りである。 科学研究費の研究代表者に採択されることと応募者の専門分野、学位、年齢、職階、大学の転任回数等の個人属性には統計的な関係がある。 ここでは大学教員の公開データと科研採択の時系列データに基づき、 科研採択を説明する良いモデルを探索した。それにより分野間の特性を抽出し、 応募者の個人属性のうちで採択に関連する変数を選び出した。 パターン認識には多くの統計的手法や機械学習の手法が提案されている。なかでもサポートベクターマシン(SVM)は強力な手法として知られている。 ただ確率分布を仮定しない機械学習の手法であるため、情報量基準に基づく変数選択手法は利用できない。 ここではSVMの母数を決定するときに用いられる目的関数に基づいて、入力変数それぞれの判別に対する貢献度を測る量により変数選択を行う手法を提案した。 提案手法は高速で実行が可能である特徴を有し、多くのベンチマークデータで良い性能を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実績のほか、下記の研究を推進した。 時空間現象の研究として「太陽風が弱い地震の引き金であることのデータサイエンス的検証」がその一つである。すでに統計モデルを用いるとマグニチュード4 (M4) の地震頻度は太陽風の影響を受けていることを発表した。さらに機械学習の手法を用いると、太陽風は M3、 M4、M5 の地震に影響するが、それ以上の地震への影響を検出できなかった。現在論文投稿の最終段階にある。また植物の遺伝子発現の時系列から遺伝子ネットワークを推定し、得られたハブ遺伝子を改変し、他の植物に導入すると生育に変化がみられることが分かった。こちらも現在論文投稿の最終段階にある。 企業との共同研究では、色認識空間における楕円の推定等がある。正定値行列間のリーマン距離により、新しい知見が得られ、この課題についても投稿論文を作成中である。なおこの研究は脳のMRI画像にも応用が可能であり、次年度で研究する新しい課題となっている。 以上より期待以上に研究が進捗していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
【進捗状況】で述べた投稿直前の2編の論文、および1編の論文の完成を急ぐ。また色認識空間における楕円推定から派生した「脳のMRI画像への応用」について、次年度から研究に取り掛かる。また遺伝子ネットワーク推定については、提案手法の妥当性が確認された。そこで提案手法がバイオ燃料の増産に貢献できないかを検討するため、九州大学国際カーボンニュートラルエネルギー研究所と共同研究を開始した。関連して今年度スマート農業について実績のあるイリノイ大学を研究分担者とともに訪問し、研究交流を行った。提案手法は管理された実験室内での植物の遺伝子発現から得られたものであり、環境が刻々と変化する圃場でそのまま応用することはできない。環境要因等を遺伝子発現の予測モデルに組み込めると圃場での植物育成に有用であるため、圃場における種々のデータ取得から始めたい。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Conserved but attenuated parental gene expression in allopolyploids: constitutive zinc hyperaccumulation in the allotetraploid Arabidopsis kamchatica.2016
Author(s)
Paape, T., Hatakeyama, M., Cereghetti, T., Shimizu-Inatsugi, R., Onda, Y., Tanaka, K., Sese, J. and Shimizu, K.K.
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Journal Title
Molecular Biology and Evolution
Volume: 33
Pages: 2781-2800
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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