2015 Fiscal Year Annual Research Report
進化型著作権学習環境の開発と評価-創作者コモンズによる人材育成-
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15H02921
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 健 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (20632756)
岡部 成玄 北海道大学, -, 名誉教授 (70169134)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 著作権 / 創作 / エディタ / コモンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学習者が、創作者と利用者の両方の立場で,著作権に対する理解を深めること、また二次、三次と派生していく著作物の権利を、「創作者コモンズ」の一員として、文化の発展の見地で検討できる著作権学習環境を構築することにある。ここで、創作者コモンズは、創作者集団による創作のための資源共有地と定義する。創作者の権利を尊重した上での共同著作や派生著作のあり方を考え、合意形成の経験を積むことで、情報社会に主体的に活動できる人材育成を目指すものである。 本目的を達成するために、著作物と関連メタデータで構成される創作者コモンズをシステムとして構築し、その成長過程についても分析・評価する。平成27年度は、画像で保存できるデータを主に、順次派生、継承される著作物を表現するために、メタデータを付加し、保持継承することのできるエディタ(創作エディタ)を新規に開発し、教育実践の中で活用した。学習者のログを確認するために、当該エディタは、学習支援システムMoodleのプラグインとして開発している。当該エディタを通して、学習者は、既存の画像で表現される著作物を組み合わせることで生じる各自の作品が、編集著作物として成り立つかを考察し、また、その作成過程を通す中で、当該既存の著作物の著作者の意思表示を理解する学習を行った。これは上記の創作者および利用者の立場で、実際の体験の中で学ぶ著作権の学習であり、学習効果が見受けられた。 さらに、プログラミング等、テキストで表現される著作物に対する、コモンズ形成のためのシステムも試行的に開発した。こちらは、具体的な実践は、平成28年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、システム設定および準備を踏まえて、システム構築を試行する計画であった。システム構築は順調に行われており、当該システムを用いた実践も行うことができた。また、当該学習における効果も確認できている。よって、研究は順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しているため、平成28年度も、研究計画に則り、計画を推進していく。特に、著作物に対するメタデータの付与を行い、当該メタデータの付与の有無による派生著作物の傾向等についても、評価を行う予定である。また、実践を進める中で、システムで改良すべき点が見受けられれば、逐次、改善を検討していく予定である。 また、平成28年度は、当該システムを用いたコモンズの拡大を見込み、海外の共同研究者にも参画を依頼する予定である。特に韓国及び中国の共同研究者と連携をとって、研究を推進していく予定である。
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Research Products
(7 results)