2016 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・メディア経由の情報に対する児童生徒の読解力の発達段階に関する研究
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15H02923
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教育学研究科, 教授 (00225591)
高橋 純 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10310757)
叶 少瑜 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (00762204)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / メディア教育 / 情報教育 / 読解力 / ソーシャルメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)児童生徒に対する多様なメディア環境を前提とした情報モラル教育およびメディア・リテラシー教育に関する実践を計画し実施した。特に、「メディアの特性に関する理解」と「それを活用して思考・表現・判断する力」が児童生徒にどの程度必要なのかについて、タブレットPC等の活用を前提に検討した。また、事例を詳細に取り上げ議論することができるよう、複数の研究者によって複数の実践者の授業に参与した。 (2)英国(ロンドン)、ドイツ(ダルムシュタット)、スイス(バーゼル)、米国(シアトル)、オーストラリア(メルボルン)、中国(上海および香港)、韓国(ソウル)、台湾(台北)等の学校を研究分担者と分担して視察し、「メディア読解力」に必要とされる教育内容、発達段階の期待値、指導法、教師教育の現状等について調査した。現地の学校(一部は塾)の授業を参観し、日本の授業との基本的な相違点を認識した上で、メディア読解力を育成する際の指導法の特性を分析した。その結果、メディアに対する基本的な知識や技能が前提能力として存在し、それが教科等の授業で発揮されているとの考え方で整理することが適切であると判断した。 (3)「メディア読解力」についての調査法を検討し、調査を実施した。調査法については、文献調査をもとに検討した。調査そのものは、小学校段階のみならず、参考調査として大学生を対象に広く調査を行った。 (4)これらの研究成果を国内外の学会で報告した。特に、情報の分析的な読解に関する研究、メディア読解に関する調査の枠組みの検討、教員のメディア・リテラシーとそれに対する指導力の関係の検討、大学生のメディア使用とネット・リテラシーとの因果関係などに深く取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に計画していた内容について、以下のような進捗状況となっているため、おおむね順調に進展していると判断している。 ・メディア読解力を中心としつつ、情報リテラシーや1人1台端末における実践の参与観察が順調に進行していること、その際の観察や分析の観点が明確になってきていること。海外視察が当初予定より広く進行したこと ・メディア読解力についてのさまざまな形の調査を行ったこと。大学生に対する参考調査を広く行ったこと ・これらに関する学会発表等が順調であること なお、「メディア読解力」に関する概念モデルについては、依然として継続的な検討および修正が必要であると判断している。これについては、研究遂行上の大きな問題は発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って研究を推進する。3年次は最終年度であり、これまでの研究を整理し再構築する作業を重視していく見通しである。
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Research Products
(34 results)