2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02950
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
山内 章 桃山学院大学, 国際教養学部, 客員教授 (90174573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 重光 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (20509822)
山内 朝夫 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究主任 (80416304)
木曽 太郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究主任 (90416313)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アミノ酸分析 / 油分の定量 / 膠の融点 / 膠のX線回折 / 理化学分析 / Ⅰ型コラーゲン / イミノ酸 / 魚類の膠 |
Outline of Annual Research Achievements |
膠のアミノ酸分析と油分の定量といった化学分析を基に、膠の融点や硬化後の結晶性等の物性の違いに関わる原因について研究した。本研究に使用した膠は、薬品類を使用せず調製した黒毛和牛の1番抽出と3番抽出の膠・ニホンジカ皮の1番抽出の膠・ニホンイノシシ皮の1番抽出の膠・ニベの浮袋の1番抽出の膠である。 アミノ酸分析の結果、牛皮膠については主成分がⅠ型コラーゲンと考えられるが、同じ原料で調製した牛皮膠の1番抽出より3番抽出の方が、タンパク質含量が少なかった。さらに牛皮膠の3番抽出は1番抽出よりも油分が多く、融点が下がっていることが判明した。硬化した状態でも3番抽出したものは結晶性が低いことがX線回折から分かった。また、ニホンイノシシ皮膠は1番抽出でも牛皮膠の3番抽出よりもタンパク質含量が少なく油分などの不純物が多く含まれていることが分かった。 一方、牛皮膠・ニホンジカ皮膠・ニホンイノシシ皮膠と比べて、魚類であるニベの浮袋の膠は、イミノ酸のヒドロキシプロリンとプロリンの含有量が少なかった。イミノ酸含有量が少ないとコラーゲンが軟らかくなるとされ、X線回折でも結晶性が低かった。これまでニベの浮袋の膠は油分が多いことが軟らかくなる要因と考えられてきたが、イミノ酸が少ないことも要因の一つと考えられる。以上、膠液の融点や硬化後の結晶性がアミノ酸組成およびタンパク質含量に左右されることが判明した。 これまで主に技術者の使用感に基づき、用途に応じて膠の原料動物種が選択されてきた。本研究は膠の理化学分析により、抽出方法や動物種に基づく物性を明らかにし、膠の物性評価の重要性と今後の膠研究の方向性を示した。具体的には、不要な油分は皮の煮沸中に麻布に吸着させて除去すればよい。従って、ニホンイノシシ皮膠を接着剤として使用した事例は確認できないが、油分を調製すれば接着剤として活用できることも提起できる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)