2016 Fiscal Year Annual Research Report
体育授業に対する効果的なコンサルテーションの在り方とその条件に関する総合的研究
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15H03065
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
細越 淳二 国士舘大学, 文学部, 教授 (70365526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 聡 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10334004)
白旗 和也 日本体育大学, 体育学部, 教授 (20515184)
日野 克博 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40304662)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンサルテーション / 体育授業 / 授業づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたる平成28年度は,前年度までの進捗状況を踏まえて,以下のような課題設定を行った.①現職教員に対する研修の実態とその改善に関する調査票を作成し,調査を実施すること.これにより,体育授業のコンサルテーションに求められる基礎的資料を収集をしようとした.②研究代表者及び分担者が関係する学校や教員コミュニティに対してコンサルテーションを実施し,その概要を整理する.これにより,実際のコンサルテーション場面で求められる要素を整理しようとした. ①の調査研究の結果から,今回,対象とした小学校教員は,指導に困難を抱えている運動領域として「表現運動」が最も高い割合を示したこと,体育の学習指導の難しさとして「運動が苦手な子どもやつまづいている子どもへの指導方法」を挙げる割合が高いことが明らかになった.加えて,現職教員は授業づくりの際,文部科学省をはじめとする公的機関が作成している資料を利用している割合が高いことや,各種ウェブサイトを利用している割合も一定程度見られることが確認された.また研修内容に対するニーズとして,体育学習の場の設定や工夫に関する情報,運動が苦手な子どもに対する指導法を求めていることが確認された.②については,県教委委嘱の研究校に対するコンサルテーションの実施をはじめとして,各学校レベルで行っている校内研究に対するコンサルテーション,単発的に行われる研修内容について整理・検討を行い,現在,その結果を整理しているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は「おおむね順調に進展している」ととらえている.理由としては,まず現職教員が,授業計画や実践の場面でどのようなことに関連する情報を必要としているかについて,調査研究を通して明らかにすることができたからである.加えて,本研究の研究分担者は,各地域の授業研究コミュニティで中核的役割を担うメンバーであるため,継続的に都道府県レベル,各地域レベル,各学校レベル,個人レベルそれぞれでコンサルテーションを展開することができている. これらのことから,現状はおおむね順調に研究活動が展開されていると認識している.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成29年度は,これまでの取り組みの成果を踏まえて,①コンサルテーション・モデルの構築を行うこと,②コンサルテーション・モデルの有効性の検証をすること,が主な課題となる. これまでの取り組みから,コンサルテーション・モデルは単元レベルの授業に対するもの加えて,単発で行われる研修レベルのものや,年間レベルのものまで複数のレベルが見通されることや,体育を校内で研究している学校に対するものや地域の体育研究サークルに対するもの,都道府県から派遣される研修生に対するものまで,複数も複数の次元が想定される. 平成29年度は,これらをより現実的なカテゴリーへと整理し,それぞれの要点を踏まえたモデルを作成し,実践を通してそのモデルの有効性を検討することになる.このカテゴリーの整理が本研究の今後の体育実践への影響度を決定づける作業になるため,精緻な検討を心がけて展開する予定である.
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Research Products
(10 results)