2017 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティック修飾を介する骨格筋糖代謝の分子適応機構の解明
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15H03082
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
須藤 みず紀 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (10585186)
道下 竜馬 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (10632028)
安藤 創一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50535630)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
安野 哲彦 福岡大学, 医学部, 講師 (80551994)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 高脂肪食 / 腎機能低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①マウスを対象とした高脂肪食負荷及び自発運動による骨格筋と脳組織における適応を一酸化窒素合成酵素を中心に検討し、②腎機能低下と運動習慣との関係を検討した。 ①コントロール(SD) 群、12週間の高脂肪食摂取 (HFD) 群、12週間の高脂肪食摂取+6週間の運動トレーニング併用 (HFD+Ex) 群の腓腹筋の白色部と赤色部に分画し、nNOSタンパク質発現量を定量化したところ、nNOSタンパク質発現量は、HFD+Ex群では顕著な増加が認められた。高脂肪食摂取や運動トレーニングへの適応による骨格筋NOシグナルは,nNOSタンパク質量により制御されている可能性が示された。介入開始から2、6、7 、12週間に高架式十字迷路テストによる不安様行動の評価と海馬nNOSタンパク質発現量を検討した結果、12週間目ではHFD摂取による不安様行動の増加が改善された。nNOSタンパク質発現量も、12週目においてHFD摂取による増加と運動による抑制が観察された。よって、運動によるHFD摂取による不安様行動の抑制効果は、より長期的な運動がnNOSタンパク質発現量を減少させることで発揮されている可能性が示唆された。 ②運動習慣の有無と血糖コントロールが新規CKD発症に及ぼす影響について検討した。腎機能が正常で6年間追跡可能であった男性303名を対象とし、ベースライン時の運動習慣の有無と血糖レベルより運動習慣のある正常血糖群,運動習慣のある高血糖群,運動習慣のない正常血糖群,運動習慣がない高血糖群の4群に分類し,新規CKD発症との関係について検討した。その結果,運動習慣のない正常血糖群,運動習慣のない高血糖群は,運動習慣のある正常血糖群に比べて新規CKD発症の相対危険度が有意に高かった。これより,血糖コントロールを良好に保ち,定期的に運動することは新規CKD発症を抑制できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在進行中の実験もあるが、ほぼ実験計画通り進み、一部の成果はすでに公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた成果をもとに、新しい取り組みを踏まえて計画している。
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Research Products
(6 results)