2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra high-resoulution functional imaging of the brainstem using a 7 tesla MRI
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15H03127
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
宮内 哲 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター企画室, 嘱託 (80190734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒 重之 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (20531867)
樋口 さとみ 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70418515)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | fMRI / 脳波 / 脳幹神経核 / 青斑核 / 覚醒水準 |
Outline of Annual Research Achievements |
7テスラ超高磁場磁気共鳴装置(MRI)を用いて,ヒトの脳幹部の青斑核,縫線核などの微少な神経核の高解像度機能イメージングを可能とするために,平成27年度及び平成28年度前半にかけて種々の技術開発を行った。具体的には, (1)青斑核,縫線核などの脳幹の神経核の多くは,覚醒水準によって活動が変化する。そこでfMRI計測時の被験者の覚醒水準の変動をモニタするために,7テスラ超高磁場MRIで脳波を同時計測するシステムの開発に成功した。現時点で,日本の7テスラMRI装置で脳波の同時計測が可能な施設は他に無く,大きな進展が得られた。(2)脳幹部は心拍・呼吸などに伴う動きが大きい。そのため,脳波だけでなく,呼吸,心電図,さらに自律神経系の指標である皮膚電気反射を機能的磁気共鳴画像と同時に計測し,解析時に心拍・呼吸に伴う脳幹部の動きを補正するシステムを開発した。(3)同様にMRIガントリ内で計測中の被験者をモニタするために,ヘッドコイル近傍に高磁場下でも動作するCCDカメラを設置して,被験者の眼窩周囲の画像を記録するシステムを開発した。 平成28年度は,上記の計測・解析システムを用いて (1)脳幹部を超高解像度で撮像するために,Echo Time,Flip Angle,シミング範囲など,さまざまな撮像パラメーターの最適化。(2)種々の感覚刺激及び覚醒~睡眠時の脳幹神経核の機能イメージング。 を行った。 その結果,構造画像上で同定された青斑核及び縫線核の領域に明確な賦活が出現し,ヒトの脳幹神経核の機能イメージングに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度のfMRIと脳波及びその他の神経生理学的指標の同時計測システムの開発に際して,特定の条件下では生体増幅器が正常に動作しなくなることが判明した。そのため研究に遅れが生じたが,増幅器の仕様を変更する事により解決し,現在は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)開発したfMRIと脳波及びその他の神経生理学的指標の同時計測システムを用いて,種々の感覚刺激及び覚醒~睡眠に伴う脳幹神経核の活動を計測した。その結果,青斑核及び縫線核の賦活が認められた。しかしながら,一部の被験者では賦活が不明瞭であった。今後被験者数を増やすとともに,賦活が不明瞭であった被験者で再度計測を行い,原因を調べる。 (2)青斑核及び縫線核に明瞭な賦活が出現した被験者を用いて,刺激強度と賦活強度の関数関係を調べることにより,ヒトの青斑核及び縫線核の活動動態を明らかにする。 (3)青斑核及び縫線核の活動に伴って賦活される大脳皮質領域を同定し,脳幹神経核が全脳の活動に及ぼす影響を検討する。
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Research Products
(5 results)