2015 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナルな紐帯を保持する移民のホスト社会への編入~三つの最新事例~
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15H03131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 均 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50154844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千香子 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10410755)
一政 史織 (野村史織) 中央大学, 法学部, 准教授 (20512320)
佐原 彩子 大月短期大学, 助教 (70708528)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移民 / エスニシティ / 少数者 / 排外主義 / 米国・カナダのアジア系 / ヨーロッパのムスリム / 在日韓国朝鮮人 / ヘイトスピーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)研究会 理論研究会2回、調査報告会を2回実施し、今後の研究調査の進め方を策定した。2015年10月7日には、来日したマリー・マカンドルー(Marie McAndrew)モントリオール大学教授の講演会を主催し、講演「教育は社会を変えられるか――ケベックの経験の批判的総括(フランス語。L’education peut-elle changer la societe? Bilan critique de l’experience quebecoise.)をしていただいた。 2)海外調査 移民受入地西ヨーロッパで2回、同じく北アメリカで1回、移民送出地東アジアで9回にわたって予備調査を実施した。a)ヨーロッパ:研究代表者高橋が8月4~12日にスペインの二大都市マドリッドとバルセロナにおいて、近年移民受入超過になったこの国のエスニシティの現状について予備調査を行った。続いて連携研究者増田一夫が2016年2月29日~3月1日に、ドイツのドレスデンで活動する反イスラーム移民運動PEGIDAの大会を視察した。b)北アメリカ:連携研究者遠藤泰生が9月にニューヨークとボストンでアジア系移民に関する法律関係の資料調査を行い、さらにハーバード大学イェンチン研究所とチャールズ・ウォーレン北米史研究所で研究連絡を実施した。c)東アジア:連携研究者外村大が7月、8月、11月に3回韓国で予備調査を実施した。連係研究者谷垣真理子は、6月から2016年3月にかけて6回、香港・台湾・大陸中国において予備調査を実施した。 3)書籍・資料収集 移民・ホスト社会編入・エスニシティ間関係の理論及び実態に関する内外の文献資料を探索・収集し、東京大学総合文化研究科附属アメリカ太平洋地域研究センター図書室・研究代表者高橋の研究室などに収蔵した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会・海外調査・文献収集を通じて三つの事例についての理論的・実態的理解が深まった。研究会では各調査地の事情についての情報を交換するとともに、近年の移民理論の新展開についての理解を共有した。遠隔地で航空運賃がかさむ地域には3回、近接地には9回にわたる現地調査を実施し、各地の目下の事情を把握することができた。文献資料の探索・収集も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究会・海外現地調査・文献探索収集を通じて、三つの事例を理論と実態の双方から追究する作業を進める。引き続き北アメリカ、西ヨーロッパ、東アジアで海外現地調査を実施し、平成27年度(一年目)の予備的調査の成果を活かし、同一地域でさらに調査を深めるとともに、新しい地域(カナダ西海岸など)へも実施地を広げる。また専門調査地を異にする研究者の調査に同行することで各自の研究に新生面を開く試みもしてみたい。
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Research Products
(17 results)