2016 Fiscal Year Annual Research Report
統治思想としての<オイコノミア>:戦間期・社会経済思想の複合的研究
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15H03163
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中山 智香子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10274680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞島 一郎 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10251563)
西谷 修 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 名誉教授 (20189286)
桑田 学 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20745707)
土佐 弘之 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70180148)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オイコノミア / 統治 / 水 / 地政学 / 生存 / 負債 / 贈与 / エコロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はほぼ一か月に一度、とりわけ東京在住のメンバー(あるいはその一部)による小規模な研究打ち合わせや検討会を継続し、課題に関する議論を持続的に行ってきた。9月中旬にはメンバーのうち2名がグラスゴー、エジンバラ、ロンドンへパトリック・ゲデスの未刊行、刊行文書の資料調査に赴き、文書の収集をおこないつつ地政学と経済学の接合に関するヴィジョンを詳細に検討した。この検討結果を受けて、12月初旬にはメンバーと、きわめて限定的なコメンテーターのみを招聘してのクローズドの研究会(テーマは「オイコノミアと人類学の思想」)を開催し、ひとり一時間の持ち時間で五名が報告を行って、詳細な議論、検討を行った。さらに実践と理論の相互的理解という観点から、現代日本におけるオイコノミアの統治状況を水という問題に引き付けて考えるために、12月中旬に琉球弧の奄美、宮古島、石垣島、与那国島からそれぞれ水問題とその統治を考察する論者を招聘し、公開シンポジウムを開催した(社会貢献)。ゲストから現状にかかわる問題を提起していただき、科研メンバーがコメンテーターとして質疑、討論を行った。またこれを受けて2月には、宮古島、石垣島(さらに竹富島も)を訪問して現地視察調査を行い、現地の専門家の話しを聴く機会を得た。これらについては研究交流の成果の記録に向けて、分析を進めているところである。 またこの間、イタリアでオイコノミアと芸術、政治のかかわりを実践的、理論的に検討する論者や、メディア関係から国際的な調査報道にかかわり、戦争と政治経済、統治の問題を考えるディレクターらに講演を依頼し、質疑応答を行ってテーマの深化につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メンバーの多くが大学や学会における教育、管理その他の業務にも従事しており、必ずしも十分な研究時間が確保できるわけではない状況下で、また全メンバーが集まるには日程調整が困難をきわめることが多々あったが、集まれるメンバーだけでも回数を重ねることで、少しづつ成果を上げるようつとめてきた。 他方、海外出張に関しては、昨今のさまざまな技術の進展と出張先との事前の入念な準備連絡などにより、短期間でも文書の調査についてはかなりの成果を上げることができ、持ちかえってゆっくり分析を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は最終年度であるため、過去2年間に行った共同研究の成果を整理し、記録にまとめるべくメンバー間で十分に検討し、成果をあげていくことをめざす。また可能であればこれを研究会や学会の場などでも検討し、記録誌や刊行物の形にむすびつくよう進める予定である。 また、仕掛かり中のテーマについては、今年度もひとつシンポジウム(オイコノミアの統治原理としての負債と貨幣)を開催し、上記の成果に加えて検討を行う予定である。
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Research Products
(9 results)