2015 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア圏の複言語主義共同体の構築―多言語社会香港からの示唆
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15H03221
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河合 靖 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (60271699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 愛子 北海道文教大学, 外国語学部, 准教授 (20738356)
小林 由子 北海道大学, 国際本部, 教授 (30250517)
飯田 真紀 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50401427)
横山 吉樹 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70254711)
河合 剛 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (70312981)
山田 智久 北海道大学, 国際本部, 准教授 (90549148)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育言語政策 / バイリンガル / 言語学習動機づけ / タンデムラーニング / 文末助詞 / 可能表現 / 遠隔ブレンド学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,前世紀末からのボーダーレス化が進むことで東アジア圏の多層言語社会が増大すると予測し、多言語社会香港について理論言語学的、応用言語学的、教育工学的見地から考察を行い、多層言語社会の到来に日本が対応する上で貢献することを趣旨としている。
事前の計画では初年度研究会を3回実施する予定であったが, プロジェクトメンバーによる研究経過報告会2回,香港の連携協力者との打ち合わせならびに調査のためのデータ収集を兼ねた香港大学での研究会1回,さらに3月年度末の連携協力者および海外の関連分野の研究者を交えた国際シンポジウム1回の計4回を実施した.以下にそれぞれ詳述する。
2015年7月11日10時~12時に北海道大学学術交流会館にて第1回研究会「多言語文化環境香港プロジェクト研究経過報告会」を開催した。代表者から本研究プロジェクトの趣旨と概略の説明があったのち、研究分担者・連携協力者がそれぞれの研究の進行状況について報告した。9月21日10時30分~12時30分香港大学にて本プロジェクトの趣旨説明と教育工学領域部門のオンライン・タンデムラーニング研究協力に関する打ち合わせを行った。あわせて、理論言語学領域部門の研究発表および応用言語学領域部門のデータ収集を21日・22日両日行った。11月28日15時~17時に北海道大学メディア・コミュニケーション研究院にて研究経過報告会を開催し、データ収集状況の中間報告を実施した.2016年3月8日, 公開国際シンポジウムを北海道大学メディア・コミュニケーション研究院で開催した.香港理工大学英語学部教授による基調講演,フォーラム・ディスカッション「東アジア次世代のコミュニケーション促進と大学外国語教育」(香港大学講師講演と質疑応答・指定討論)を行った.あわせて,本科研プロジェクトメンバー8名の発表のほか,2名の外国人研究者による招待発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究目的遂行のために設けた3領域、すなわち、理論言語学,応用言語学,教育工学それぞれにおいて,データの収集と複数の研究発表を行うことができたので,研究計画をほぼ予定通りに進んでいると判断する.理論言語学領域では,広東語・日本語・北京語の文末助詞に関する機能や特徴の共通点や相違点に関する考察を研究分担者が,また日本語・中国語・英語の可能表現に関する比較を連携協力者が行い,3月8日国際シンポジウムほかで発表した.紅葉言語学領域では,研究分担者が香港の学制におけるバンドシステムの変遷とその教育を受けた学習者が現在どのように感じているかについて現地調査を実施した。また、別の研究分担者は香港の日本人学校やインターナショナルスクールに在籍する日本人児童生徒のライティングにおけるバイリンガル能力の発達の様子や、保護者および教育者の様子を現地調査した.両者とも,経過報告を国際シンポジウムほかで行った.さらにもう1名の研究分担者は,香港の日本語学習者が日本のポップカルチャーによってどのように日本語学習を動機づけられているか調査するために面接調査を実施し,国際シンポジウムで経過報告を行った.教育工学領域ではオンライン言語交換を香港大学ほかと日本の大学とで実施した.その成果について収集したデータの一部を用いて考察を加え,国際シンポジウムで発表した.以上により、初年度の研究進捗は概ね順調であり、2年目以降においてさらなる研究成果が期待できると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータ収集を継続し、分析と考察を進める.理論言語学領域では、言語データの考察を継続し、議論の精緻化を図る。応用言語学領域では、現地調査を継続しインタビューによるデータ収集やライティングタスクの実施により日英両言語の作文サンプル収集を行う。教育工学領域では、オンラインでの言語交換学習をさらに実施し、質問紙等によってが学習者からのフィードバックを得る。発表活動としては、本年6月に香港大学で香港の日本語教育研究者および日本人コミュニティの多言語技能育成に興味のある聴衆を得て,研究発表会を実施する予定である.また,関連学会でも研究分担者,連携協力者それぞれで発表活動を行う.年度後半には,論文執筆,関連学術誌への投稿へ向けて準備を進める。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] 終助詞(文末助詞)の機能と特徴 ~広 東語・北京語・日本語の場合~2016
Author(s)
飯田真紀
Organizer
International Symposium: Preparing Students for Communicating in East Asia
Place of Presentation
Hokkaido University, Sapporo, Japan
Year and Date
2016-03-08 – 2016-03-08
Int'l Joint Research
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[Presentation] 能力・可能性を表す表現の多義性につ いて―日・中・英語の比較―2016
Author(s)
今泉智子
Organizer
International Symposium: Preparing Students for Communicating in East Asia
Place of Presentation
Hokkaido University, Sapporo, Japan
Year and Date
2016-03-08
Int'l Joint Research
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