2016 Fiscal Year Annual Research Report
南北朝~隋代における造像銘の調査及び史料集成とその総合的研究
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15H03252
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
佐藤 智水 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (40116463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 晶子 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00115601)
長谷川 岳史 龍谷大学, 経営学部, 教授 (00309105)
神塚 淑子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20126030)
岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
宮崎 洋一 広島文教女子大学, 人間科学部, 教授 (50258290)
北村 一仁 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60748028)
市川 良文 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70440881)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東洋史 / 仏教史学 / 道教 / 造像銘 / 地域社会 / 女性の造像 / 邑義 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は、2回の海外調査を実施した。①4月30日~5月11日、アメリカ合衆国の美術館に所蔵されている中国石刻造像銘の調査。研究代表者のほか分担者1人、協力者3人の総計5人で実施。ニューヨークのメトロポリタン美術館、アジアンソサエティ文化館、エール大学博物館、クリーブランド美術館、トレド美術館、デトロイト美術館の6ヶ所においてギャラリー及び収蔵庫所蔵の造像類を調査。帰国後、影像データの整理、造像銘記の移録の共同作業を行なった。 ②12月10日~14日 中国北京市の故宮において開催された《公元400-700年印度与中国雕塑芸術展》で各省ごとに展示された南北朝~隋期の石刻造像及び造像銘を調査し、銘文を移録した。帰国後に、遅れて出版された展覧図録『梵天東土』と照合し、移録の修正作業を行なった。 目録作成作業として、『東魏石刻造像銘目録初稿』を脱稿した。29年度後半に刊行予定。仏教石刻研究会を継続して、銘文解読と収集史料の整理を進め、『西魏石刻造像銘目録初稿』『北周石刻造像銘目録初稿』『北斉石刻造像銘目録初稿』も同時進行させ、北魏~隋時代の新規収録造像銘の仕分け作業を行なった。 従来行なってきた故小川貫弌博士所蔵「龍門石窟拓本」一千余点について、所蔵者の協力のもと目録を作成した。 京都大学人文科学研究所の岡村秀典教授主催「雲岡石窟研究会」(月2回)に参加した。また同教授主催の「龍門造像記二十品」解読の会(月2回)にも参加し、継続的に情報交換・研究交流を行なった。 タイム・マップは大学内外のアクセスに応じる工夫をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として「おおむね順調」だが、収録データの蓄積が増すにつれて整理が遅れがちと感じている。アメリカの6ヶ所の美術館・博物館での調査は、予めリストアップした作例中、最も期待した作例は美術館の固いガードに遭遇し実現しなかったが、リストにない予想を越える発見があった。北京故宮の展覧会には中国各省の博物館から出品され、これまで調査困難な作例もあり、出土地の解明には有益であった。ただ、近年各地で続々と出土する傾向があり、それらの情報については迅速に把握する必要性を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
中国の石刻造像は日本各地の美術館・博物館にも所蔵されている。次年度以降はそれらについても造像銘の収集・整理を行っていく。これまでの交流によって、京都市藤井有隣館、大阪市立美術館、神戸市白鶴美術館など数ヶ所から調査の許可を頂いている。
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Research Products
(10 results)