2015 Fiscal Year Annual Research Report
「地域文化」の概念的整理と現象分析への展開―地理学方法論の試みとして―
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15H03279
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大城 直樹 明治大学, 文学部, 教授 (00274407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠城 明雄 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00243866)
森 正人 三重大学, 人文学部, 准教授 (10372541)
加藤 政洋 立命館大学, 文学部, 准教授 (30330484)
関戸 明子 群馬大学, 教育学部, 教授 (50206629)
島津 俊之 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60216075)
濱田 琢司 南山大学, 人文学部, 教授 (70346287)
福田 珠己 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80285311)
中島 弘二 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (90217703)
神田 孝治 和歌山大学, 観光学部, 教授 (90382019)
山口 晋 目白大学, 社会学部, 講師 (50507712)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域文化 / 地理学方法論 / 地理思想 / 民俗 / 民芸 / ツーリズム / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「地域」という特定の空間的範域が「文化」と結びつけられることで,地理的表象・実践として発現するものごと,またそれと連動して充填される意味や価値を対象とするものの,これらを自明で所与のものと考えず,構築的なものと措定することでいったん分解し,この二つの組み合わせ自体に孕む無意識的な接合の在り方を精査することで,地域主義やナショナリズムに結びつくその構造的な枠組みと問題点を析出することを目的とするものである。 今年度はそのために設置した3つ研究班(学説史・理論班,地域表象班,地域組織班)が各々分業するかたちで担当の研究課題に取り組んだ。成果については,対内的には本年3月上旬に研究集会を開催し,各メンバーの研究成果が報告され,それらをめぐる討議を行い情報の共有をはかった。対外的には,国際学会についてはロンドンでの国際歴史地理学会(7月)とIGUモスクワ地域大会(8月),また日本地理学会等,国内学会において成果報告を行い成果の公表に努めた。学術雑誌や学術書への投稿・寄稿も無論行った。詳細を言えば「学説史・理論研究班」は,地域文化の理解のため,最適な理論的・方法論的動向を把握しその理解に努め,他の二班に最新の知見を提供した。「地域表象研究班」は,博物館,民俗,民芸,ツーリズムなど,各種メディアにおける展開を押さえながら,アカデミア内外の「ローカル」なもの(民芸・民俗)の発見・再編,ツーリズムの形態変化,(博物館等)各種機関での展示様態など,具体的な事例調査を基本としつつ,理論的・方法論的に従来の枠組みを超えた成果を導出すべく調査・研究を行った。「地域組織研究班」も同様に,実際に地域で生活する(生活していた)主体が当該地域をどのように表象しているのか(いたのか)について検討を行いつつ,最新の知見をもとに,各コミュニティの調査をマルチスケールの視座から行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は三つの研究班(学説史・理論班,地域表象班,地域組織班)とも,それぞれの課題に積極的に取り組み,学会報告や論文等で成果を公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降も引き続き同じ方向性で進めていく。だが,メンバーのスケジュール上,研究集会が年に一度,年度末にしか開催できないため,年度の半ばに中間報告の場を設ける必要がある。ニューズレターやホームページなどの媒体のより積極的な利用・活用を図っていきたい。
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Research Products
(35 results)