2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03291
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹田 栄司 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20205876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 一 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (10222382)
村上 裕章 九州大学, 法学研究院, 教授 (20210015)
宍戸 常寿 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20292815)
林 知更 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30292816)
國分 典子 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 教授 (40259312)
鈴木 秀美 慶應義塾大学, メディア・コミュニケーション研究所(三田), 教授 (50247475)
中林 暁生 東北大学, 法学研究科, 教授 (70312535)
赤坂 正浩 立教大学, 法学部, 教授 (80167816)
佐々木 雅寿 北海道大学, 法学研究科, 教授 (90215731)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 司法行政 / 裁判情報 / 最高裁裁判官 / 裁判官人事 / 民主主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
「公開と参加による司法のファンダメンタルズの改革」を検討する本研究は、平成28年度では、二度の研究会を開催した。第3回研究会では、「イギリスにおける議会に対する裁判所の説明責任」(木下和朗岡山大学教授)、及び「カナダにおける憲法訴訟の参加手続」(佐々木雅寿北海道大学教授)が報告された。これらの報告を通じて比較法に基づく研究の意義が明らかになった。第4回研究会では、「ドイツにおける裁判の公開ー近時の立法・判例を手がかりとして」(鈴木秀美慶應大学教授)、及び「適用違憲と判決憲法異議」(赤坂正浩立教大学教授)が報告された。両者とも本研究の進展に寄与するものである。また、前者ではドイツでのヒアリングを含め報告されている。 平成28年度は本研究の2年目にあたり、本研究メンバーによる業績も次第に増えてきている。そのなかで、「民主主義の制度化と公法学」がテーマとなった日本公法学会第81回総会(2016年10月8日:慶應大学)では、笹田栄司早稲田大学教授(研究代表者)によって「司法過程と民主主義」が報告された。この報告は本研究と深く関わるもので、わが国の「司法組織のあり方」を検討するにあたり最高裁判所事務総局に焦点をあてドイツ(・イタリア)との比較法研究を参照しつつ、「司法のファンダメンタルズの改革」を提言するものである。また、本研究に深く関わる最高裁判所裁判官についてもメンバーによる研究の進展がある。 山元一慶應大学教授(研究分担者)による「“空前”の『司法官僚』出身最高裁裁判官-泉徳治-」及び「最高裁に舞い降りた『国際民主主義』者-横田喜三郎-」、さらに川岸令和早稲田大学教授(連携研究者)による「戦後憲法価値の実現-田中二郎-」がそれである。加えて、 村上裕章九大教授(研究分担者)による「裁判所における情報公開―司法行政文書を中心として―」も本研究にとって重要な成果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究テーマに深く関わる司法行政及び裁判官人事について、日本公法学会総会において研究代表者が報告を行ったほか、研究分担者及び連携研究者による最高裁判所裁判官研究が次々と公表されている。さらに、本研究の柱の一つである「裁判情報の公開」についても研究分担者による業績がある。加えて、他の研究分担者による司法に関する研究業績も増えてきている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の夏季研究会では、村西良太大阪大学准教授「憲法学から見た投資仲裁協定(仮題)」、及び、市川正人立命館大学教授「憲法判例と最高裁裁判官人事(仮題)」が予定されている。こういった研究者との対話を通じて、前者については国内司法の限界、そして後者については裁判官人事の多角的検討の必要性を理解するとともに、本研究の深化を目指す。 また、メディアも裁判情報の公開に重要な役割を担っていることに鑑み、司法記者に焦点をあて、裁判所との関係、及びジョブトレーニングについて、第一線で活躍中の記者を対象にヒアリングを行う。この試みはいままでなかったものである。 司法過程と民主主義の関連について昨年の公法学会総会報告を公表する準備を進めるとともに、司法における「民主的基盤」、及び「専門知」について検討を深める。
|
Research Products
(21 results)