2016 Fiscal Year Annual Research Report
経済社会のダイナミズムと会計制度のパラダイム転換に関する総合研究
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15H03404
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
河崎 照行 甲南大学, 共通教育センター, 教授 (10122227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平賀 正剛 愛知学院大学, 経営学部, 教授 (00329070)
大塚 成男 千葉大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (20213770)
佐藤 信彦 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 教授 (20225981)
小津 稚加子 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (30214167)
中條 祐介 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (40244503)
梅原 秀継 明治大学, 会計専門職研究科, 専任教授 (40282420)
菅原 智 関西学院大学, 商学部, 教授 (40331839)
坂上 学 法政大学, 経営学部, 教授 (50264792)
町田 祥弘 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50267431)
林 隆敏 関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
齊野 純子 関西大学, 商学部, 教授 (60311510)
太田 康広 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (70420825)
角ヶ谷 典幸 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80267921)
加賀谷 哲之 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (80323913)
倉田 幸路 立教大学, 経済学部, 教授 (90149146)
円谷 昭一 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (90432054)
米谷 健司 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (90432731)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 会計理論 / 会計制度 / パラダイム転換 / 中小企業会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、会計理論(会計概念・会計基準)、会計文化論、社会学、監査論、実証研究といった多様な視点から、経済社会のダイナミズムに対応したわが国の会計制度のあり方(会計制度のパラダイム転換)を、総合的に研究することにある。具体的には、次のような課題が検討課題とされる。(1)経済社会のダイナミズムが、会計理論や会計制度にどのようなインパクトを与えているかについて、会計研究の多様な視点から、両者の関係を闡明にすること、(2)叙上の会計理論や会計制度の動向を踏まえ、わが国の会計制度のあり方に対するインプリケーションを析出すること。 平成28年度(第2年度)では、平成27年度(第1年度)の研究成果を踏まえ、次のような個別課題への対応が議論された。(1)経済基盤のダイナミズムを踏まえた会計理論(会計基準)の変化については、利益マネジメント、蓋然性規準、会計基準の合理性、会計基準の妥当性といった側面から、会計概念の変化の特徴に関する議論を深化させること、(2)会計制度のパラダイム転換については、大企業会計制度の制度改革がIFRSの影響を受けているのに対し、中小企業会計制度では、IFRSの影響を受けない取組みが進行中であることから、その実態を検討するとともに、中小企業会計基準の普及と制度的定着化に取組むこと、(3)監査制度のパラダイム転換については、監査技術や監査データの標準化問題といった課題とともに、保証業務の多様性について検討すること、(4)パラダイム転換期における企業の会計行動については、会計利益と課税所得の一致性、日本企業の租税回避行動、経営者業績予想、非GAAP利益の開示問題などについて、実証分析を通じて会計規制のあり方の議論を深化させること。 上記の個別的課題の検討結果については、その一端が、わが国および海外の会計学関連諸学会等で報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 平成28年度(第2年度)の研究計画は,次のとおりであった。(1)第一次的作業として、平成27年度(第1年度)に完結できなかった各研究分担者の担当国と担当課題について、引き続き、広く内外の関連文献・データベース等を渉猟し、緻密な文献収集と実地調査(面談調査)を行い、研究の成果と知識の深化を図ること、(2)第二次的作業として、海外の研究協力者との連携体制を確立するため、研究代表者および研究分担者を、主要諸国に派遣するとともに、海外研究者および専門家との相互交流を深めること、(3)第三次的作業として、会計制度変革の影響について、平成29年度(第3年度)に本格的な実態調査(質問票調査)を計画していることから、そのためのパイロット調査を試みること、(4)研究成果の一端を、わが国および海外の会計学関連諸学会等で報告すること。 上記の研究計画に則して、本年度(平成28年度)は、山田辰巳氏(前IASB理事)、徳賀芳弘氏(京都大学教授)、坂本直弥氏(フィリピン在住の公認会計士)、井上慶太氏(タイ在住の公認会計士)を招聘して学術講演会を開催し、わが国、IASB(国際会計基準審議会)およびASEAN諸国の会計制度変革の現状について多くの知見を得る一方、研究代表者を米国および英国に派遣して、海外の協力者および専門家との相互交流を深めるとともに、本年度の研究成果の一端を、わが国および海外の会計学関連諸学会等で報告した。なお、本年度に計画していたパイロット調査(実態調査)は、準備不足から実施できなかったものの、その他の研究課題はほぼ計画通りに進捗していることから、本研究課題はおおむね順調に進展しているといってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 今後の研究の推進方策は、次のとおりである。 (1) 「経済社会のダイナミズムと会計制度のパラダイム転換」の理論と制度は、主要諸国において必ずしも同等ではない。そのため、平成28年度(第2年度)に完結できなかった各研究分担者の担当国について、引き続き、文献調査と実地調査(面談調査)を行うことが第一次的作業となる。 (2) 第二次的作業としては、平成27年度・28年度の文献研究・面談調査を前提として、主要諸国の会計制度変革の特質を浮き彫りにするとともに、当該会計制度変革を促した誘因に関する理論モデル・制度モデルの構築を試みる。かかる作業を通じて、本研究課題の理論面・制度面の課題を完成させたい。 (3) 第三次的作業として、会計制度変革の影響について、わが国おける本格的な実態調査(質問票調査)を試みる。わが国では、このような会計制度変革の影響に関する実態調査の研究ストックは皆無であることから、海外の研究協力者や専門家との積極的かつ緊密な交流・討議を通じて、実態調査を有効なものとしたい。 (4) 平成27年度(第1年度)および平成28年度(第2年度)には、本研究成果の一端を、わが国および海外の会計学関連諸学会等で報告したことから、当該学会報告をベースとして、その研究内容を深化させ、その後の研究成果を追加補充する形で本研究課題を完成させ、当該最終成果を広く社会に還元するため、大手出版社による刊行物として出版することを計画している。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] 利益属性の国際比較2016
Author(s)
加賀谷哲之
Organizer
日本会計研究学会第75回全国大会
Place of Presentation
グランシップ(静岡県静岡市)
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-13
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