2017 Fiscal Year Annual Research Report
効果的なスクールソーシャルワークモデルの評価と理論構築
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15H03429
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山野 則子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50342217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 登志子 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (00295916)
岩永 靖 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (10526221)
厨子 健一 (厨子健一) 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (40734489)
比嘉 昌哉 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (50342431)
長崎 和則 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90309641)
吉田 卓司 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (90610212)
大友 秀治 北星学園大学, 社会福祉学部, 講師 (40648002)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スクールソーシャルワーク事業モデル / プログラム評価 / エビデンスの蓄積 / 実践家参画型意見交換会 / 制度的制度モデルの理論構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Ⅰ.効果モデルの継続的評価、Ⅱ.効果的制度モデルまで含んだSSW理論の構築である。Ⅰは、成果を示し実用化も始めている「効果的なSSWer事業プログラム」の研究分担ブロックで実行をすすめること、そのデータ収集、分析を行い、評価を理論に基づいて行い、地域を問わずSSWのガイドラインに値するものを示すことであった。 本プログラムを国の検討会で話題にし、実際に国のSSWガイドライン作りに持ち込み、本プログラムのかなりの部分が援用されることになった。 内容としては、プログラム実地域を年々増やしていくことによるシステマティックレビューなど、高度な調査分析を行いモデルとして質を高めている。都市・地方の双方が存在する6つの地域班では、各班の研究分担者による現場の意見交換会を開催し実践者を交えた議論を基に評価を行っている。全体総括班では調査分析、スムーズなプログラム実施のために実践者を交えた評価方法の体系化の冊子を作成した。 Ⅱは、子どもの状況をスクリーニングにより3段階に分類し各段階に必要な介入や支援の方法をセットした、アメリカで新たに示されたSSW実践モデル(Kellyほか2014)、イギリスのエクステンディッドスクールに近い学校プラットフォーム(内閣府2014)、と比較関連させながら、プログラムが機能的に展開するための効果的制度モデルを含めたSSW理論構築を行う予定であるが、29年度はイギリス政府と国に示唆を示すエビデンスに基づくファット・ワーク・センターに出向いきモデルづくりの参考にし、日本での同様の機関づくりも検討している。文科省の勉強会等に発表予定である。 上記の国レベルのガイドライン作り、さらにSSWerの配置が法的に明記され、スクリーニング会議の表記、学校プラットフォームを意識した地域との協働など明文化され、教育と福祉の協働や家庭教育支援への予算などがつけられた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ⅰ.効果モデルの継続的評価:予定通り、効率性評価、比較評価を行い、システマティックレビューによるRCTの蓄積を行ってきた。費用対効果の課題は残るが、ほぼ予定通りの進捗である。 Ⅱ.効果的制度モデルまで含んだSSW理論の構築:予定通り、海外文献であるKellyほか著「School Social Work: Practice, Policy, and Research 8th edition」(2015)の翻訳が進んだ。イギリス政府への視察、教育政策の手法も視察によって検討した。研究会開催についても、各ブロックにおける研究会の開催、広げるためにアウトリーチによるワークショップを北海道で開始し、新たな参画自治体を増やした。平成29年度時点では、67自治体、456名が本WEB事業に参加している。また貧困関連とリンクさせたシンポジウムの開催、さらに地域共生社会と関連シンポジウムを実現し、理論構築のための議論を深めた。研究会等の開催回数、参加者数は以下の通りである。 【平成29年度の研究会・コア会議・シンポジウムの開催回数と参加者数】 研究会:回数3、参加自治体74、参加人数161 コア会議:回数4、参加自治体45、参加人数68 シンポジウム:回数1、参加人数186 (注:自治体数、参加人数は延べ人数) また活用のルールを制度化し、制度モデルを定着するために、SSW評価支援研究所の要綱、細則を策定した。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ.効果モデルの継続的評価 今後、普及評価として、モデル地域での実施によって確かなものになってきたものを近隣地域へ実践家参画型意見交換会や研究会に参加を促すことで広げる。平成30年度は評価ファシリテータ養成講座のワークショップの開催予定である。評価の体系化、SSW領域に限らないSW領域でのエビデンス機関の創設も視野に入れ、政府に働きかける。 Ⅱ.効果的制度モデルまで含んだSSW理論の構築 国際シンポジウムによって、アメリカの予防モデルの提示などの翻訳をもとに効果的制度モデルを検討し、さらに理論構築に向けた出版の準備を行う。
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Research Products
(14 results)