2016 Fiscal Year Annual Research Report
学校教育の”周縁”の現代的可能性に関する複合的研究
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15H03466
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上原 慎一 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10269136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 貴文 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 助教 (00518954)
光本 滋 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10333585)
辻 智子 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20609375)
横井 敏郎 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (40250401)
野依 智子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40467882)
徳井 美智代 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任准教授 (40704896) [Withdrawn]
植上 一希 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90549172)
池谷 美衣子 浜松学院大学, 現代コミュニケーション学部, 講師 (00610247)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育学 / 職業教育 / 職業訓練 / 専門職 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、三つの「周縁」から職業に関わる教育学的研究、学校から社会への以降に関する研究、青年期教育研究の再構築を図り、現代大きな課題となっている若者の就学・就職困難に関わる諸問題の解決に資することである。第一は教育機関・学習内容の「周縁」性であり、普通教育中心の中等教育体系及びそれを前提とした中等後教育に対し、専門学校や職業教育・職業訓練施設等における職業能力形成の歴史を明らかにすることである。第二は労働者の属性(雇用形態・性別)の「周縁」性であり、非正規化されつつある専門職や女性に対する職業教育の歴史的、現代的意義を考察する。第三は地域の「周縁」性である。大都市圏ではなく、東北・北海道地方、九州地方のそれぞれの特徴や課題について、資料収集・調査を行う。 今年度は6回にわたる研究会、打ち合わせ及び資料収集、調査を経て以下の成果を挙げた。第一は北海道及び九州の専門学校関係データの収集・整理・分析である。中卒後や高卒後、教育訓練機関、専修学校に進学した層の推移や受け入れ先である専門学校の分布や編成について分析を行った。 第二は繊維女工に対する教育制度に関する資料収集及び東北地方における「進学就職」に関わる進路指導の歴史に関する調査である。東北地方を給源とする東海地方の繊維メーカーの進学や入職後の就労や生活の状況に関する資料収集を行った。 第三は女性専門職(保育士、栄養士)の就労と離転職に関するアンケート調査である。東海地方と九州地方の二つの短大・大学の卒業生の現状について詳細なアンケート調査を行い、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた進学・就職、専門学校関連統計データや繊維関係の地域資料の収集・分析について概ね順調に推進し、成果を発表しつつある。また、学校における進路指導や受け入れ企業の関係者への聞き取り調査も順調に行われている。専門職に関するアンケート調査についてもすでに配布・回収、データ入力を終えており、詳細な分析を鋭意遂行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、上記のそれぞれの領域について引き続き必要な資料収集や聞き取り調査、とりわけ複数の事例についてのインテンシブな調査を行いながら、すでに集めたデータの分析結果について学会発表、論文等で順次発表・公開していく。具体的には日本社会教育学会、日本産業教育学会での発表、それぞれの所属する研究機関で発行されている紀要等に論文として投稿する予定である。また、取りまとめのための理論的な枠組みについて集団的に検討するとともに、最終的には本研究の総括として報告書を発行する予定である。
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Research Products
(13 results)