2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (30214646)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リーマン面 / ゴールドマン・トゥラエフ・リー双代数 / 写像類群 / ベルヌーイ数 / 非可換ポアソン幾何 / マグナス展開 / ジョンソン準同型 / 柏原ヴェルニュ問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
津田塾大学福原真二名誉教授および連携研究者久野との共同研究で、曲面の基本群の群環における余加群構造射の単純閉曲線の対数の値についての明示的公式と、クロネッカーによるベルヌーイ数の表示式の一般化を得た。また、前年度得ていた、種数 0 曲面のトゥラエフ余括弧積の指数函数的マグナス展開に関するテンソル表示をプレプリントとして発表した。 ジュネーブ大学 A. アレクシーヴ教授、 F. ネフ大学院生および連携研究者久野との共同研究により、種数 0 境界成分数 3 の曲面のトゥラエフ余括弧積の柏原ヴェルニュ問題の解による表示が、シェドラー余括弧積である、とくに形式的であることが分かった。その証明では非可換ポアソン幾何学の枠組みが用いられる。 他の連携研究者の個別の成果については終了後の研究成果報告書でまとめて報告する。 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を主催し、研究集会「変換群論シンポジウム」および「Encounter with mathematics」を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主たる研究対象であるトゥラエフ余括弧積については、ほぼ申請調書における研究計画の通り、種数 0 境界成分数 3 の場合に柏原ヴェルニュ問題の解との関係が確立した。種数 0 でも一般の境界成分数の場合が残っているが、これについてはとりあえず楽観してよいと思う。また、我が国におけるリーマン面に関連する位相幾何学研究の総体的推進に関しても、本研究が一定の役割を着実に果たしていると自負している。
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Strategy for Future Research Activity |
トゥラエフ余括弧積についての種数 0 の残る部分および正種数の場合の研究に取り組む。とくに、位相的観点からの柏原ヴェルニュ問題へのアプローチに力点を置き、発散コサイクルとトゥラエフ余括弧積の関係の内実に迫りたい。あわせて、我が国におけるリーマン面に関連する位相幾何学研究を総体的に推進する。
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Remarks |
先行する科研費と共通。
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Research Products
(8 results)