2016 Fiscal Year Annual Research Report
Topological studies on Riemann surfaces through Lie bialgebras
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15H03617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (30214646)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トポロジー / リーマン面 / ゴールドマン・トゥラエフ・リー双代数 / 柏原ヴェルニュ問題 / モジュライ空間 / 写像類群 / フレーミング |
Outline of Annual Research Achievements |
A. Alekseev 氏(ジュネーブ大学)F. Naef 氏(ジュネーブ大学)および連携研究者久野雄介氏(津田塾大学)との共同研究で、柏原ヴェルニュ問題の解の集合と、種数 0 の場合のゴールドマン・トゥラエフ・リー双代数の形式表示をあたえる特殊展開の集合が一対一対応していることが証明できた。Duflo 函数が線型項を除いて曲面トポロジーで説明できることも分かった。以上の結果を論文 Adv. Math., 326(2018) 1―53 において発表した。この対応は正種数の曲面への柏原ヴェルニュ問題の拡張の方向を示唆しており、C. R. Acad. Sci. Paris, Ser. I. 355 (2017) 123―127 においてアナウンスした。 曲面のフレーミングがトゥラエフ余括弧積において一定の役割を果たす。そこで、曲面のフレーミングのホモトピー集合(絶対版)における写像類群作用の軌道を分類した。種数2以上および種数0では新しい現象は見つからなかったが、種数1では(境界成分が幾つあっても)フレーミングの新しい不変量によって写像類群作用の軌道が分類されることを示した。以上の結果は論文 Quarterly J. Math. において発表予定(web 上は掲載済)である。なお、種数2以上の相対版は Randall-Williams がすでに分類している。 リーマン面に関連する国内の研究者に広く集まっていただき平成28年9月3日から6日まで東大数理大講義室において研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を主催した。 本年度の研究費は繰越を行った。繰り越した研究費と次年度の研究費によって関連分野の海外研究者および海外共同研究者を招聘して 平成29年5月22日から26日まで東大数理大講義室において国際研究集会「ジョンソン準同型とその周辺」を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
柏原ヴェルニュ問題とトゥラエフ余括弧積の関係を明らかにするという本研究の主目標は、種数0の場合に達成された。さらに、正種数の場合も解決に大きく近づいた。当初の予想を遥かに上回る速度で事態が推移している。また、曲面のフレーミングに関して思いもよらない副産物が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
正種数の場合を論文にまとめる。関連する海外研究者のレビューを受ける。(いずれも平成29年度に実施した。)
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Research Products
(9 results)