2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring precision cosmology with Subaru wide-field galaxy surveys
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15H03654
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 昌広 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (40374889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ダークマター / ダークエネルギー / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度から本格的に始動した、すばる望遠鏡Hyper Suprime-Cam (HSC) 深宇宙イメージング(撮像)サーベイを念頭に、その宇宙論統 計量からダークエネルギーなどの宇宙論パラメータを制限する手法を開発している。イメージングサーベイから銀河像を精密に測定することにより、手前のダークマターの空間分布を復元することができる。一方、銀河の分光サーベイは各々の銀河までの距離を測定することを可能にし、銀河の3次元分布で宇宙の大規模構造を探る強力な手段である。同じ天域領域のイメージングと分光サーベイを組 み合わせることで、着目する銀河まわりのダークマターの分布を明らかにすることが可能になり、いわゆる銀河のバイアス不定性を観 測的に除去することができる。宇宙構造形成の大量の数値シミュレーションのデータベースを構築しており、高速かつ正確なクラスタリング統計量を予言するエミュレータを整備している。H29年度には、この数値シミュレーション理論モデルをスローン・ディジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)の銀河団データに適用し、銀河団の観測量とダークマター総量の関係を導出した(Murata, Nishimichi, Takada et al. 2018, ApJ, 854, 120)。また、本研究者のリードの下、上記のすばる望遠鏡HSCプロジェクトの初期データを用い、その科学成果の40編の論文を日本天文学会欧文報告書に報告することができた(Publications of Astronomical Society Japan, 2018, Vol. 70, SP1)。この論文には、精密重力レンズ測定のための銀河カタログの論文も含まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すばる望遠鏡最大規模の大型プロジェクトであるHSCサーベイのデータを高精度で解析し、較正済み画像、天体カタログ(星、銀河) 、物理量の測定量(位置、各フィルターでの光度、形状)を全世界に公開することができている(2017年2月28日)。この計画は2019年までの5ヶ年計画であるが、その最初の2年間のデータ・天体カタログを用い、本研究者が国際共同研究をとりまとめ、40編の論文を日本天文学会欧文研究報告のHSC特集号に発表することができた(Publications of Astronomical Society of Japan, Vol. 70, SP1)。これらの論文には、HSCカメラの詳細、プロジェクトの概要、重力レンズ効果の測定のために必要な銀河形状カタログの詳細、太陽系の小天体のサイエンス、天の川銀河の矮小銀河の発見、HSCデータから構築した銀河団カタログ、近傍・遠方銀河のサイエンス、など多岐にわたる。これは非常に大きなマイルストーンであり、現在宇宙論パラメータを推定するための研究を進めている。また、これに平行して、宇宙構造形成の大規模なN体数値シミュレーションを大量に実行し、高速かつ正確に宇宙論観測量を予言する理論模型の構築を進めている。広天域HSC銀河カタログから得られる「高精度」の宇宙論統計量の統計精度に見合う、「正確」 な宇宙論の理論模型を構築することが目標である。実際に、この数値シミュレーションに基づく理論模型をSDSSデータの銀河団観測量に適用し、銀河団の性質とダークマター総量の関係を導出することができた。この研究は世界でも着目されている。このように精密宇宙論を行うために、観測、解析、理論の整備を着実に進めること ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、すばるHSCサーベイは、これまでにデータを順調に取得してきている。これまでに得られているHSCデータを用い、重力レンズ効果、銀河のクラスタリング統計量、銀河団の統計、またSDSS分光データおよび宇宙背景放射との相互相関の測定を行う。これら宇宙論統計量を測定するための手法はすでに開発できている。重力レンズのためのデータ解析の 結果をまとめた論文などを執筆し、世界の重力レンズコミュニティーにすばる望遠鏡のデータの威力を宣伝する。これに平行して、大規模なN体シミュレーションに基づく宇宙論統計量の理論模型の構築の研究では、ガウス過程回帰モデルなど統計の手法を駆使し、任意の宇宙論モデルの宇宙論統計量の理論モデルを高速で回帰 (モデル化) するエミュレータ(emulator)を開発 している。この試みは世界初であり、この正確な理論模型の詳細に関する論文を執筆し、発表する。 今年度中に、HSCデータから測定した重力レンズ効果などの宇宙論統計量と、上述した理論模型を比較し、ダークエネルギーなどの宇宙論パラメータを制限する。このとき、HSCチーム全体で、ブラインド解析 (blind analysis) の手法を実行し、先行研究の結果に左右されない、客観的かつ説得力ある結果を導出する。これを目的とし、HSCチームをリードし、用意周到かつ慎重に議論を進める。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Sumo Puff: Tidal debris or disturbed ultra-diffuse galaxy?2018
Author(s)
Greco Johnny P、Greene Jenny E、Price-Whelan Adrian M、Leauthaud Alexie、Huang Song、Goulding Andy D、Strauss Michael A、Komiyama Yutaka、Lupton Robert H、Miyazaki Satoshi、Takada Masahiro、Tanaka Masayuki、Usuda Tomonori
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Journal Title
Publ. Astron. Soc. Japan
Volume: 70
Pages: S19 (10 pages)
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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