2015 Fiscal Year Annual Research Report
加速空洞内部の直接観察によるブレークダウン・トリガー・メカニズムの解明研究
Project/Area Number |
15H03671
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
阿部 哲郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (70370070)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高周波加速空洞 / ブレークダウン / 真空放電 / 加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
高周波加速空洞は、多くの粒子加速器において心臓部となるコンポーネントである。近年、我々は、UHF帯連続波の加速空洞において、高電界試験中にその内部を直接観察する手法が有用な研究手段となることを実証した。本研究は、その手法をXバンド・パルス波の加速空洞等に応用し、今まで謎とされてきた加速空洞のブレークダウン・トリガー・メカニズム(ブレークダウンを引き起こす源)の解明に挑むものである。 当該年度は、上記研究目的のために最も重要な試験空洞の電気設計を行った。ここで、JLC/GLC計画の時代から今日までに培われてきたXバンド加速管製造技術等を基にした。また、本研究の最大の特徴である空洞内部観察に必要な装置(特殊カメラ群)の選定を行い、最適なスペックでの購入を達成した。さらに、本研究目的達成に有用と考えられる手法を取り入れ、研究方式の見直しも行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年9月、本研究と深く関係する国際ワークショップに出席した際、ヘルシンキ大学の理論研究グループと彼らの最新理論結果について議論した。その結果、本研究の目的達成のためには、従来想定していた観測量よりも重要性の高いものがあることを指摘された。それを受け、研究方式の見直しを行ったため、一部実験に必要な周辺機器(カメラ光学系やピックアップ電極等)の設計・製作・購入が遅れた。しかし、本研究にとって最も重要な試験空洞の電気設計、及び、特殊カメラ群の最適なスペックでの購入は達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な周辺機器の購入・製作を並行して進めながら、出来るだけ早期に試験空洞試作機を製作し、高電界試験を行う。試験空洞試作機の高電界試験の結果は、次の試験空洞の設計・製作へフィードバックする。
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Research Products
(2 results)