2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム集積木本植物におけるアルミニウム集積機構および耐性機構の新たな展開
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15H04465
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
渡部 敏裕 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60360939)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和崎 淳 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (00374728)
平舘 俊太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 主席研究員 (60354099)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | アルミニウム耐性 / アルミニウム集積植物 / 酸性土壌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1. 【研究1】アルミニウム処理がアルミニウム集積木本植物体内の物質動態と遺伝子発現に与える影響を明らかにする
(1) アルミニウム（Al）ストレス下での遺伝子発現変動を概括的に調べることを目的として次世代シーケンサーを用いたde novo RNA-seqによるトランスクリプトーム解析を試みた。本年度はAl集積植物のメラストーマを±Al処理条件下で栽培し、葉と根からRNAを抽出した。抽出したRNAを精製した後、次世代シーケンサーを用いた解析を現在実施中である。
(2) アポプラストおよびシンプラストにおけるイオノーム/メタボローム解析：メラストーマなどの Al集積種について葉および根のアポプラストとシンプラストの無機元素（イオノーム）および代謝産物（メタボローム）の一斉分析を行い、Al集積に対応して変化する成分とそれらの分配について明らかにすることを目的とした。本年度はGC-MSを用いたメタボローム解析のための試料調整、測定、および解析方法を検討し、メラストーマを用いたメタボローム解析が可能であることを明らかにした。
2. 【研究2】Al集積木本植物のAl吸収・輸送能力の源を明らかにする
(1) Al集積木本植物が地上部に高濃度のAlを集積することに対する地上部と根部の寄与を比較するため、Al集積能の異なるノボタン科のメラストーマ（高集積能）とシコンノボタン（低集積能）の接木を試みたが成功しなかった。
(2) xylem sapを模した擬似xylem sap作成のため、メラストーマのxylem sap組成を詳細に分析した。結果をもとに+Al条件下で栽培させた個体のxylem sapを模した擬似溶液を作成し、根部を切除した個体の茎をその溶液に浸け、茎切断面からAlを吸収させた。吸収させたAlは茎や葉柄に留まること無く葉身に移動した。現在、溶液の成分組成を変える影響や27Al NMRによる解析について検討中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NMRやメタボローム解析に供試するサンプルの作成が間に合わず、これらの技術が関係する結果を得ることができなかった。一方、懸念されていたトランスクリプトーム解析のための試料調整はうまく行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
【研究1】についてはメラストーマのトランスクリプトーム解析のためのRNA抽出に用いた試料の一部を凍結乾燥し、GC-MSによるメタボローム解析およびICP-MSによるイオノーム解析に供試する。得られた3つのオーム解析結果から、Al存在下でメラストーマの体内ではどのような変化が起きているのかを包括的に解析する。【研究2】については接木試験の検討を継続しながら、擬似Xylem sap の直接吸収によるAl の吸収、葉における分配、形態変化、および毒性に影響を与える要素の解明を目指す。
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