2015 Fiscal Year Annual Research Report
EU、アメリカ及び日本における減反・農産物生産調整の廃止過程に関する研究
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15H04556
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| Research Institution | Gifu University |
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Principal Investigator |
荒幡 克己 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90293547)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 圭一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20356322)
内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (80378322)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 減反廃止 / EU農政 / アメリカ農政 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
理論的研究では、本研究課題のバックボーンとなる「政策終了論」、「アイアントライアングル論」について、国内ではほとんど研究が実施されていないことから、海外の文献を渉猟し、「政策終了論」については、40本程度、「アイアントライアングル論」については30本程度の文献を収集した。現在、これを基に、理論フレームを構築しているところである。
海外調査研究では、EU農政については、イギリス、フランスそれぞれで現地調査を実施し、生産者段階、政府農政段階での資料収集と、経営者への直接のインタビュー等を実施した。なお、EUの酪農生産調整については、世界市場における過剰が顕在化し、当初予定していた2015年の生産調整廃止を延期する、見直す等の動きが生じている。このため、今後の動向について注視する必要がある。ただし、いずれの帰結に至るとしても、本研究の課題である「日本の減反廃止」にとって有益な知見を得る、という観点からは、重要な変化となるので、引き続き、当初計画に沿って二年目以降も調査を進めていく。
アメリカについては、既に廃止してから年数も経過し、次なる段階の政策として作物収入保険の充実に農政の関心が向かっていることもあり、これを中心に文献を集めるとともに、現地でも情報を収集した。
国内では、流通業者への聞き取り調査、全中等中央団体への訪問調査を実施した。一方、予定していた各県段階、市町村段階での調査については、平成27年10月に合意に達したTPP協定によって、県以下の段階での農政の対応がなされている。このため、当初予定していた調査が実施できなかったことも多かった。次年度以降は、これを補完するための調査を精力的に実施していく所存である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
減反廃止が平成30年に予定されており、各県、市町村は、独自予算をも用意して、これを円滑に進めるよう準備しているところである。
ところが、平成27年10月に大筋で合意したTPP(環太平洋経済連携協定)では、例えば、畜産部門では、今後大きな打撃を受けることが予想される等により、県予算等では、農業政策や関連予算の大幅な見直しが進められている。これらの対応もあって、平成27年度(昨年度)は、調査の見合わせを求める等の例もあり、当初予定通りには、各県、市町村段階の調査は、進捗していない。
ただ、各県ともに予算もほぼ確定したので、今後は、精力的に国内の現地調査を行って、各県、市町村の平成30年減反廃止へ向けての動向を把握していくことに努めたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、次の二点に注意しつつ、研究を推進して参りたい。
1. 海外調査では、特にEU酪農生産調整の動向について注意する。当初2015年廃止予定であったEU酪農生産調整は、その廃止の延期と見直しに入ったと報じられている。これは、予期せぬことではあったが、むしろ、日本の農政課題を検討する上では、重要な局面が観察できることとなった。農政動向に注意しつつ、合わせて現地調査も進めていきたい。
2. 国内調査では、TPP合意に影響で昨年度調査は、予定よりもやや遅延することを余儀なくされたが、むしろ本年度、全国統一的に精力的に調査を実施して、足並みがそろった形で調査結果が得られれば、有益な研究成果を上げていく上でプラスになる。生産者、市町村まで含めて、国内現地調査を集中的に実施していく。
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