2015 Fiscal Year Annual Research Report
土壌・水環境技術の高度化に資する農業工学とコロイド化学の融合域における課題の解明
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15H04563
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 幹佳 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20400179)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コロイド / 土壌 / 水環境 / 生物資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,土壌・水環境の保全対策技術を高度化する上で求められる,コロイド界面化学と農業工学の融合領域にある学術的課題の解明を目指している.本年度は,高分子複合体の侵食抑制機能の評価,流れ場での凝集理論の高度化に必要な実験データの蓄積と理論解析に基づく検討の結果,以下の成果を得た. 1.乱流中において,静電引力が存在する異符号帯電コロイド粒子のヘテロ凝集速度を実験により求めた.さらに得られた結果を軌道理論により解析した.実験と理論の両面から,ヘテロ凝集速度が塩濃度とともに上昇することが明らかになった.しかしながら,ブラウン運動や沈着とは異なり,理論と実験には定量的な差異が確認された.乱流の非定常性等に着目し,この不一致に関する要因を検討する必要がある. 2.静電斥力が存在する条件下において,乱流中におけるコロイド粒子の凝集速度を既往研究よりも精緻な静電斥力の理論式を用いた軌道理論により解析した.理論により計算した凝集速度は実験により得られた傾向を定性的に表現できた.しかしながら,定量的な一致を得るためには,粒子間引力の尺度であるハマカー定数に塩濃度依存性があることを仮定する必要があった.この妥当性とその実態を確認するための研究が必要である. 3.正に帯電した高分子イオンと負に帯電した高分子イオンからなる高分子複合体をマサ土に散布し,人工降雨下における土壌の侵食実験を行った.実験結果から,高分子複合体を施用した場合,表面流出ならびに土壌流亡どちらも顕著に抑制されることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画されていた土壌侵食実験,不飽和土中のコロイド輸送,流れ場中の凝集速度,ヘテロ系における界面動電現象などについて,順調に実験・解析を遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も予定通りに実験・解析を進めて行く.
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Research Products
(27 results)
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[Presentation] 分散凝集と界面動電現象入門2015
Author(s)
小林 幹佳
Organizer
第3回コロイド実用技術講座「分散・凝集のすべて」
Place of Presentation
日本化学会館,東京都千代田区
Year and Date
2015-10-26 – 2015-10-27
Invited
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