2016 Fiscal Year Annual Research Report
豚舎内のエアロゾル、空気中病原微生物濃度の動態解明とモニタリングに向けた基礎研究
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15H04570
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
池口 厚男 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10222415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中久保 亮 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (20585319)
宮崎 綾子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主任研究員 (30355169) [Withdrawn]
勝田 賢 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, ユニット長 (40355160)
川嶌 健司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, ユニット長 (50355161)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エアロゾル / 養豚 / 病原ウイルス / 空気衛生環境 / エアロゾルセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
畜舎内で発生するエアロゾルには臭気成分および病原体等の微生物が付着し、それらの畜舎内外へ拡散の媒体となっている。特にブタの死亡原因の約8割を占めている呼吸器疾患は、農場に常在する空気中病原微生物が関与し、これらを媒介するエアロゾルの発生低減を含めた飼養環境の改善が求められる。そこで本年度は1.昨年度と同様にデータを蓄積するために昨年度と異なる農場の離乳豚舎におけるエアロゾル濃度と空気中微生物濃度の関係を調査、2.昨年度で病原細菌および病原ウイルス濃度のサンプル方法が確立したので、病原ウイルスの定量化を行い、指標となるウイルスの検討、3.リアルタイムで測定可能なエアロゾル濃度を指標として、空中微生物濃度を推定するための安価な簡易エアロゾルセンサーの実験を実施した。 1.エアロゾルの動態解明: 離乳豚舎を対象に入舎期間全体を通して、夏季および冬季の舎内環境およびエアロゾル濃度、空中微生物濃度の経時測定を行った。その結果、1.0 μm以上10μm未満のエアロゾル濃度と空中一般生菌、黄色ブドウ球菌、今回は大腸菌にも強い正の相関があることが分かった。 2.病原細菌および病原ウイルス濃度の動態解明: PCMV、PAdV、PRRSV、TGEV、PKV、PAstV、PEV-B、PSV,PTVの9種類のウイルスを解析し、 検出率の高いウイルスはPSVであった。空気衛生環境のウイルス指標としてワクチンにも左右されない、PSVが適切であると考えられた。 3.エアロゾルを指標とした微生物濃度の検出 昨年度試作した実験系でベンチスケールの実験を行った。実際の豚舎内のエアロゾル濃度範囲に対して、減光法による測定は困難であることが判明した。その原因として濃度が薄いときの減光の検出感度が悪くノイズが大きいためであった。安価な簡易センサーを前提としているので、光散乱の原理によるセンサーを試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を構成する3つの課題それぞれの平成28年度計画で掲げた内容がほぼ実施できた。PSVの定量系が確定できた。エアロゾル濃度検出簡易センサーの検出方法が確定でき、試作機が完成した。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度とは異なる農場で同様の計測を行い、データの蓄積とサンプルの数を増やす。また、PSVとエアロゾル濃度の関連を明らかにする。 光散乱によるエアロゾル濃度検出簡易センサーのチャンバー試験を行い、最適な仕様を確定する。
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Research Products
(1 results)