2016 Fiscal Year Annual Research Report
LRRK1-Dynein複合体による逆行輸送制御機構
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15H04697
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花房 洋 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (00345844)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | LRRK1 / EGFR / Dynein |
Outline of Annual Research Achievements |
Dyneinモーター蛋白質は様々なCargo(積み荷)を輸送することで、多様な細胞機能(シグナル応答や細胞恒常性維持、細胞分裂制御など)に機能している。Dyneinが制御する細胞機能の破綻は、神経変性疾患など重篤な疾患を引き起こすことが知られている。最近申請者は、ROCOファミリーキナーゼLRRK1が、Dynein/Dynactinと複合体を形成し、上皮成長因子受容体(EGFR)の細胞内輸送を制御することを明らかにした。LRRK1は1分子内にRas様GTPaseドメインとMAPKKK様キナーゼドメインをもつユニークな蛋白質である。LRRK1のファミリー分子LRRK2が、家族性パーキンソン病原因遺伝子Park8であることから、臨床的にも注目を集めている。しかしこれまで、LRRK1及びLRRK2の機能や生理的役割はあまり明らかになっていな買った。本課題では、LRRK1-Dyneinによる細胞機能の解明を、EGFR細胞内トラフィック制御及びオ ートファゴソーム輸送・成熟制御に焦点を当て研究を行った。これまでの研究から、EGFR細胞内トラフィック制御においてLRRK1は、(1)微小管プラス端結合因子CLIP170をリン酸化し、Dynein/Dynactin複合体との結合を促進すること、(2)LRRK1によるCLIP170のリン酸化が、EGFR細胞内輸送に重要なこと、(3)LRRK1は低分子量Gタンパク質Rab7をリン酸化し、オートファゴソームの成熟を制御することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで我々はLRRK1がキナーゼ活性依存的にEGFRの細胞内トラフィックを制御していることを明らかにしてきた。またこの過程におけるLRRK1の基質として、微小管プラス端結合分子CLIP170を同定した。さらにLRRK1によるCLIP170のリン酸化の意義を検討し、LRRK1がCLIP170をリン酸化することで、EGFRの微小管マイナス端方向への輸送開始に機能していることを明らかにした。本成果はJournal of Cell Science誌に発表済みである。 またLRRK1が中心体機能に重要なことも明らかとなった。LRRK1は細胞分裂期の中心体でPLK1、Cdk1によってリン酸化・活性化され、中心体構成因子CDK5RAP2をリン酸化することで中心体からの微小管形成に重要な働きをしていた。LRRK1による中心体機能制御は、細胞の分裂軸制御に重要なことを明らかにした。本成果はNature Cell Biology誌に発表済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の点に注目し、解析を行って行く予定である。 (1)LRRK1-Dyneinによるオートファゴソーム成熟機構の解明 我々はLRRK1がキナーゼ活性依存的にオートファゴソームの成熟に機能していることを明らかにしてきた。最近LRRK1が低分子量Gタンパク質Rab7をリン酸化することを見出しており、今後はLRRK1によるリン酸化部位の同定、LRRK1によるリン酸化の生理的役割について解明していく。 (2)LRRK1-Dyneinによる中心体成熟の解析 LRRK1はM期中心体で活性化し成熟に機能していることを明らかにした。この際、LRRK1とDyneinとの相互作用が重要な役割を果たしている可能性があり、その分子メカニズムを検討していく。
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Research Products
(1 results)