2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作マウスとPG質量分析を用いた難治性小腸潰瘍症の病態解明と治療法探索
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15H04811
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| Research Institution | Kyorin University |
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Principal Investigator |
久松 理一 杏林大学, 医学部, 教授 (60255437)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 悠毅 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30590202)
金井 隆典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40245478)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 小腸潰瘍 / プロスタグランジン / SLCO2A1 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
１．非特異性多発性小腸潰瘍症患者で認められる変異型SLCO2A1のin vitro機能解析については患者変異型SLCO2A1強制発現細胞株の樹立し、ラジオアイソトープでラベルしたPGEの取り込み機能の低下を証明した。さらにGFP-SLCO2A1融合蛋白の発現解析から患者で認められるエクソン７以下が欠落した変異ではSLCO2A1蛋白が膜上に発現できないことが示された。SLCO2A1組織内発現部位についてはin situ hybridization法や免疫組織化学の結果、小腸粘膜内血管内皮細胞に発現していることを明らかにした。患者小腸生検組織を用いた免疫染色の結果、患者で認められる変異型の多くで免疫組織化学で発現をdetectできないことが示され免疫組織化学が補助診断として有用であることが示された。以上の結果は、Umeno J, Hisamatsu T, Matsumoto T. A, et al. PLoS Genetics 2015 Nov 5;11(11):e1005581.に発表された。
２．血管内皮特異的Slco2a1欠損マウス（非特異性多発性小腸潰瘍症モデルマウス）の作成についてはCre/loxpシステムを用いてVE-カドヘリン-Creとの交配により血管内皮特異的にSLCO2A1が欠損したマウスモデルの作成に着手し、2015年夏に樹立に成功した。現在、実用化を目指して交配中である。
３．小腸粘膜内の脂質代謝メディエーターの測定系確立。PGの代謝の変化が小腸潰瘍症の原因であることが予想され組織内の代謝状況を把握することが病態解明につながることが期待された。そのため、慶應義塾大学医学部医化学研究室と共同で、 質量分析法（LC ESI-MS/MS）を用いた解析系の樹立を目指している。すでに、インドメタシン誘発マウス小腸潰瘍モデルにおいて測定系が機能することを確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疾患遺伝子を同定しその機能欠落、小腸発現部位を含めて論文化されたこと。さらに、この発見が契機となり非特異性多発性小腸潰瘍症がChronic Enteropahty Associated with SLCO2A1(CEAS)という新たな疾患概念として提唱され、難病指定され研究班が立ち上がるなど社会的貢献もなしえた。病態解析と治療薬開発に不可欠な動物モデルとして血管内皮特異的SLCo2A1欠損マウスの樹立に成功した。
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| Strategy for Future Research Activity |
学会発表などを通じてCEASの疾患概念を広め、日本における患者実態を明らかにする。治療薬開発のためにまず、SLCO2A1欠損マウスを用いて質量分析による小著粘膜内PG代謝産物の解析を行う。本マウスではCOX阻害に対する潰瘍形成が促進されると考えられ、本マウスをもちいて種々の化合物を潰瘍抑制効果の点からスクリーニングする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A Hereditary Enteropathy Caused by Mutations in the SLCO2A1 Gene, Encoding a Prostaglandin Transporter.2015
Author(s)
Umeno J, Hisamatsu T, Esaki M, Atsushi Hirano A, Kubokura N, Asano K, Kochi S, Yanai S, Fuyuno Y, Shimamura K, Hosoe N, Ogata H, Watanabe T, Aoyagi K, Ooi H, Watanabe K, Yasukawa S, Hirai F, Matsui T, Iida M, Yao T, Hibi T, Kosaki K, Kanai T, Kitazono T, Matsumoto T.
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: Nov 5;11(11):
Pages: e1005581.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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