2015 Fiscal Year Annual Research Report
難治性炎症病態を示す免疫異常症の原因遺伝子探索及び病態解明のための基盤構築
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15H04876
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西小森 隆太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70359800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八角 高裕 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00511891)
平家 俊男 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90190173)
斎藤 潤 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90535486)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NLRC4異常症 / メバロン酸キナーゼ欠損症 / iPS細胞 / 遺伝子改変マウス / MAFB / 全エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性炎症性疾患患者を次世代シークエンサーを用いた既知自己炎症性疾患遺伝子パネル(遺伝子:NLRP3, NOD2, MVK, MEFV,PLCG2, PSTPIP1, IL1RN, NLRP12, PSMB8, HMOX1, NLRC4, TNFRSF1A)にて解析、迅速に臨床診断するとともに変異陰性例を全エクソーム解析対象とした。骨溶解性関節所見を示す患者において、トリオによる全エクソーム解析を行い、既報告ではあるがMAFB遺伝子変異を同定した。その他、今年度は新規候補遺伝子の同定にいたらず、これまでに報告されている疾患の病態解析を継続しておこなった。 難治性炎症病態を示すメンデル遺伝性疾患の病態解析系の構築として、メバロン酸キナーゼ欠損症の疾患特異的iPS細胞を用いた解析を行った。分化誘導系にてiPS細胞由来単球・マクロファージを作成、炎症性サイトカイン産生能を検討した。これまでのところ患者末梢血でみられた炎症性サイトカイン産生能亢進を再現できていない。それぞれのiPS細胞由来単球・マクロファージの発現解析を行い、末梢血との違いを検討中である。同疾患の病態解析系として、患者変異を有する遺伝子改変マウスをCRISPR/Cas9を用いて樹立、ホモ変異体を交配作成中である。 NLRC4異常症の病態解析系として疾患特異的iPS細胞を作成した。コントロール細胞として、CRISPR/Cas9を用いて変異を正常化したiPS細胞を樹立、解析を進めた。 臨床診断において重要であるNLRC4変異の疾患関連性の評価系として、THP-1細胞に変異NLRC4を強制発現する系を確立した。この成果により、不明熱患者におけるNLRC4異常症の正確な診断が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メバロン酸キナーゼ欠損症の疾患特異的iPS細胞を用いた解析系において、炎症性サイトカイン産生能亢進を再現できなかった。同じ炎症性疾患であるクリオピリン関連周期熱症候群では可能であったのと対照的である。単球・マクロファージ系細胞の分化段階の違い、培養条件がメバロン酸キナーゼ機能低下による炎症に不適であった等の理由が考えられた。対策として、別の病態解析系として遺伝子改変マウス作成を開始した。 疾患特異的iPS細胞を用いた軟骨分化系によるCINCA症候群の軟骨過形成モデルにおいて、軟骨分化系が安定しなかった。改善策として軟骨分化系を標準化すべく、フローサイトメトリーによる評価を加えた軟骨前駆細胞作成系を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
難治性炎症性疾患患者を次世代シークエンサーを用いた既知自己炎症性疾患遺伝子パネルにて解析し、変異陰性例に対して全エクソーム解析を行い、新規難治性炎症性疾患関連遺伝子同定に努める。 メバロン酸キナーゼ欠損症のiPS細胞の発現解析にて、患者末梢血との違いを明らかにする。違いが推定された場合、遺伝子もしくは化合物によるシグナル系の修飾を介して、炎症病態の再現を試みる。患者変異を有する遺伝子改変マウスのホモ接合体を樹立し、炎症病態の解析系を構築する。 NLRC4異常症iPS細胞を用いた解析系を利用し、クリオピリン関連周期熱症候群と同じインフラマソーム活性化疾患でありながらとIL-18が異常高値となる理由を追求する。iPS細胞を用いた解析系が困難であれば、患者変異遺伝子改変マウス作成を試みる。 疾患特異的iPS細胞を用いた軟骨分化系によるCINCA症候群の軟骨過形成モデルにおいて、フローサイトメトリーによる軟骨前駆細胞作成系を用いて、NLRP3インフラマソーム非依存性と推定される軟骨過形成の機序を解明する。 Aicardi-Goutieres症候群の病態解析系として、iPS細胞からの神経細胞分化を行い、病態再現を開始する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Exon skipping causes atypical phenotypes associated with a loss-of-function mutation in FLNA by restoring its protein function2016
Author(s)
Oda H., Sato T., Kunishima S., Nakagawa K., Izawa K., Hiejima E., Kawai T., Yasui T., Doi H., Katamura K., Numabe H., Okamoto S., Nakase H., Hijikata A., Ohara O., Suzuki H., Morisaki H., Morisaki T., Nunoi H., Hattori S., Nishikomori R., Heike T.
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Journal Title
Eur J Hum Genet
Volume: 24
Pages: 408-414
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Understanding the pathophysiology of NOMID arthropathy for drug discovery by iPSCs technology.2015
Author(s)
Nakagawa K., Okuno Y., Nishikomori R., Yokoyama K., Tanaka T., Kawai T., Yasumi T., Umeda K., Nakayama N., Toguchida J., Hagiwara M., Heike T.
Organizer
8th International Society of Systemic Autoinflammatory Diseases Meeting 2015 (2015)
Place of Presentation
Dresden, Germany
Year and Date
2015-09-29 – 2015-10-03
Int'l Joint Research