2017 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院から即自宅生活を目指した脳卒中発作後患者の廃用症候群予防プログラム検証
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15H05079
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田村 綾子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (10227275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 貴子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (20314883)
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20327977)
日坂 ゆかり 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (30730593)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
単に運動療法のみの回復促進ではなく、脳卒中患者に快の刺激を呼び戻す手法を取り入れた運動プログラムを組み込むことで、理学療法士も加わった従来の運動療法のみでは比較的効果の少ない対象者に対しても、効果の上がるケア方法の立案と確立を目指すことを研究の目的とした。 平成29年度は、3点について研究を進めてきた。1、脳卒中で、片麻痺となった患者に対する「快のADL(activities of daily living)記憶を呼び戻す手法」に上肢に、手浴を取り入れた。脳卒中発症後に、快刺激である手浴の追加実施群と運動介入実施群の2群について、比較を行った。その結果、快刺激の手浴と運動療法の併用による効果を明らかにした。その成果は、日本ニューロサイエンス看護学会誌に発表した。2、軽症脳卒中患者の6ケ月後の生活状況(ADL)の実態調査においては、昨年度に50例のデータを得ることができた。この成果の発表は、第26回日本脳神経看護研究学会四国部会において発表した。3、脳卒中患者に対する快刺激を提供できる手法として、認知症患者に用いる回想法を取り入れることを考えたが、脳卒中軽症患者の多くが、軽度の意識障害患者あるいは高次脳機能障害を併発していることが明らかになった。このため、絵や写真を取り入れた回想法での効果を期待できなかった。平成30年度は、学会での情報交換や過去の文献検討において、実行可能で安心と信頼に足る手浴の他の手法による快刺激を組み込んだ運動療法に対するケア方法を確認をしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3点の計画中2点の計画については、公表することができた。しかし、看護行為である手浴による関節可動域の拡大の実態は明らかにできたものの、なぜその効果をもたらすのか、あるいはどのような機構が働いているのかという作用機序については、明らかにできなかった。脳卒中患者の手浴を加えた快刺激による運動療法の効果を、作用機序から明らかとできなかったため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
看護行為である手浴による関節可動域の拡大の実態は明らかにできたものの、その効果に対する作用機序は、明らかにできなかった。学会での情報交換や過去の文献検討において、実行可能で安心と信頼に足る手浴による快刺激を組み込んだ運動療法に対する手法においての文献検討を加え、その作用機序について明らかにしたいと考えている。このことで、急性期病院から即自宅生活を目指した脳卒中発症後患者の廃用性症候群予防プログラム検証の一助にすることが可能と考える。脳卒中患者の発症後の麻痺側の浮腫とくに、手背に発生する浮腫については、実態調査を行うことを計画している。手背浮腫のデータ分析においては、生体インピーダンス法を用いて組織の組成を確認することによって、効果的な手背浮腫の改善を目指したいと考えている。今後事例を追加し検討を重ねたいと考えている。
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Research Products
(2 results)