2016 Fiscal Year Annual Research Report
持続的水環境保全に向けた中国山西省における生物による水質調査と環境教育への適用
Project/Area Number |
15H05126
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
田中 仁志 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 担当部長 (40415378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 効挙 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 主任研究員 (20415392)
山田 一裕 東北工業大学, 工学部, 教授 (30250723)
木持 謙 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任研究員 (50415379)
渡邊 圭司 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任 (50575230)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中国山西省 / 水質指標生物 / 水生昆虫 / 魚類 / 環境学習 / 衛生指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国山西省は黄土高原に位置する内陸省で、比較的降水量が少なく、河川の水質汚濁が問題とされている。河川水質保全のためには、地域住民の理解と環境意識啓発、さらには児童・生徒などに対する教育機関での環境教育の実践・普及が有効な方法である。本研究では、河川の水質を簡便に評価可能な中国版指標水生生物を整理するとともに、今後の環境学習教材への活用及び体験型環境教育プログラムづくりと普及を目指している。 本年度は、5月に山西省晋城市の沁河において、水生生物及び水質を調査した。生息生物種の情報と共に、調査した3地点では、糞便汚染の影響は低く、衛生指標面での安全性が確保できているのではないかと考えられる結果を得ることができた。また、10月には、太原市内の桃園小学校において5年生を対象に、環境教育の試験的授業を行い、検討中の水質浄化の仕組みや水質指標生物調査等の環境プラグラムの検証を行った。授業終了時に水環境に関する意識調査のためにアンケートを行ったところ、川で遊ぶことを禁止されているなど、日本における状況との相違点を明らかにすることができた。また、本研究で共同研究を行っている山西農業大学において、学生を対象にした特別セミナーを開催し、本研究に関連する日本における水質指標生物、環境教育、大腸菌数の基準導入の動向などを紹介を通じて、研究成果の周知を図った。12月には、山西省生態環境研究センターの研究者が来日した際、環境学習に関連する研修を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国における持続的水環境保全に寄与するために、山西省の河川をモデルとして、中国版水質指標生物の選定及び現場体験型環境学習プログラムの作成を目標としている。山西省の主要な河川である沁河及び汾河の調査結果から、生息する生物及び水質の情報に関する概要は把握できている。また、環境学習プログラムに関しても太原市内の小学校において試験的に環境学習の授業やアンケートを行うなどの結果、研究遂行に必要な基盤となる情報が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
山西省内の調査対象河川を増やすとともに、環境学習実施小学校を増やすことにより、中国版水質指標生物に関する情報収集及び環境学習のノウハウを蓄積する。
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Research Products
(5 results)