2017 Fiscal Year Annual Research Report
あらたな創薬資源の採集調査と成分解析及び遺伝資源バンクの構築
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15H05138
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 洋行 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20416663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 卓也 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (90517484)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物活性 / 植物 / 海綿 / 放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナム・ダナン近海から5種の海綿を採集し、遺伝子を保存した。さらに、採集したSpongia spのエタノール抽出液から6種の新規merosesquiterpenesを得ることができた。単離した化合物について生物活性を評価した結果、新規化合物langconol AがBacillus subtilisに対して比較的強い抗菌活性を示すものの,ヒト由来通常細胞に対して細胞毒性を示さないことが明らかになった。また、キョウチクトウ科植物Anodendron paniculatum全草のメタノール抽出液から、3種のcycloartane型triterpene配糖体と3種の既知化合物を得ることができた。一方、インドネシア・マカッサルにて海綿3種とシソ科薬用植物Plectranthus scutellarioides及びアカネ科植物Paederia foetidaを採集し、P. scutellarioides葉のクロロホルム抽出液から3種の新規abietane型diterpenoidを含む計4種の化合物を、Paederia foetida全草のメタノール抽出液から1種のシクロアルタントリテルペンと6種の既知化合物を単離した。さらに,ミャンマー・ベイにて海綿5種を,ベイの隣に位置するカレン州にて植物12種を採集し、海綿からは2種の新規アルカロイドを、ショウガ科植物Curcuma amada根茎のメタノール抽出液からは、4種の新規labdane型diterpenoidを含む計17種の化合物の単離・構造決定に成功した。C. amadaから単離した新規化合物(E)-15-ethoxy-15-methoxylabda-8(17),12-dien-16-al ,(E)-15α-ethoxy-14α-hydroxylabda-8(17),12-dien-16-olide,15-ethoxy-12β-hydroxylabda-8(17),13(14)-dien-16,15-olideは、比較的強い細胞増殖抑制活性をヒト由来がん細胞に対して示す化合物であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、インドネシア、ベトナム、及びミャンマーにおける植物・海綿・放線菌の採集調査と化学成分の解析及び採集した遺伝子の保存を達成目標としていた。今年度においては、これらの地域の一部の植物・海綿・放線菌の採集と遺伝子を保存することができ、かつ、採集した放線菌からの生物活性化合物の単離までには至っていないものの、採集した数種の植物と海綿から生物活性化合物を単離し、構造を決定できているため、総合的に考えて、概ね計画通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、採集した植物・海綿・放線菌からの生物活性化合物の単離・構造決定を引き続き進める。また、昨年度と同様に、インドネシア、ベトナム、ミャンマーの植物・海綿・放線菌の採集調査を進め、生物活性化合物の単離及びそれらの遺伝子の保存を行い、創薬シードとして有望な化合物を取得することを目指す。
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Research Products
(19 results)