2016 Fiscal Year Annual Research Report
逆磁気光学効果による磁化のベクトル制御と磁気相転移の検証
Project/Area Number |
15H05454
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 琢哉 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40451885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気光学 / スピンダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、偏光制御された超短光パルスを磁性体に照射することで、逆ファラデー効果、逆コットン・ムートン効果などの逆磁気光学効果によって、より高い自由度で超高速にコヒーレント磁化制御することを目的とする。本年度は、フェリ磁性ガーネット試料において、磁気光学時間分解ポンプ・プローブ測定を行い、鉄イオンと希土類イオンのスピン間の交換モードを観測した。また、詳細な位相解析から交換モードの回転ヘリシティは、強磁性共鳴モードと同じであることが判明した。また、強い面直磁気異方性を有する試料においては、周期300 GHzと4.2 THzの振動を確認した。これらは興味深いポンプ・プローブ偏光依存性を示すことがわかり、さらなる解析が必要である。電気磁気効果を示す物質において、逆ファラデー効果によって生じる有効磁場を介した相転移の可能性を探った。試料の複屈折をさけるために、試料の方位出しを行い、液体ヘリウム温度・強磁場下での測定システムを構築した。反強磁性体NiOにおいて、逆ファラデー効果と逆コットン・ムートン効果によるマグノン生成効率の比較を行い、逆コットン・ムートン効果による高い効率が示された。また、Sドメインの分布に関する知見を得ることができた。軌道角運動量が部分的に消失していない反強磁性体CoOにおいて、マグノンのラマン散乱と磁気光学時間分解ポンプ・プローブ測定を行い、軌道角運動量を反映した高い散乱能が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室の移転(九州大学箱崎キャンパス→伊都キャンパス)を完了し、研究を軌道に乗せることができた。システムの立ち上げは順調に終え、測定を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、関連研究者と密接に連携しながら、研究を推進していく予定である。
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[Journal Article] All-optical observation and reconstruction of spin wave dispersion2017
Author(s)
Y. Hashimoto, S. Daimon, R. Iguchi, Y. Oikawa, K. Shen, K. Sato, D. Bossini, Y. Tabuchi, T. Satoh, B. Hillebrands, G. E. W. Bauer, T. H. Johansen, A. Kirilyuk, Th. Rasing, and E. Saitoh
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 8
Pages: 15859-15859
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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