2016 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光生体イメージング技術による関節リウマチの病態解明と新規薬効評価系の開発
Project/Area Number |
15H05671
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊田 順一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60710069)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 生体イメージング / 関節リウマチ / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチにおける関節破壊は、関節を包む滑膜の炎症から始まり、滑膜の増殖、パンヌスの形成、骨・軟骨破壊へと進行していく。その病態形成には、破骨細胞、マクロファージ、T細胞などが複雑に関与すると考えられている。しかしながら、「それぞれの細胞が、いつどのようにして関節内に遊走してきて、関節炎が発症するのか」という関節破壊に関わる細胞の遊走制御や動態については、これまでほとんど解明されていなかった。本研究では、これまで独自に開発・応用してきた生体二光子励起イメージング技術を駆使して、関節リウマチの病態に関わる炎症細胞(破骨細胞・マクロファージ・T細胞)の動態を可視化することにより、関節リウマチの発症・増悪メカニズムを明らかにするとともに、関節リウマチ治療において臨床応用されている分子標的治療薬の生体内の薬物動態をin vivoで可視化し、分子標的治療薬が標的細胞に及ぼす効果や薬効発現の機序を実体的に解明する。 平成28年度は、関節炎モデルマウスの生きた関節内における破骨細胞やマクロファージを経時的に可視化し動態の解析を行った。さらに、分子標的治療薬(抗IL-6 受容体抗体、抗TNFα抗体、T細胞選択的共刺激調節剤)が、炎症によって誘導された破骨細胞の動きや機能に及ぼす影響を評価した。平成29年度は、これらの成果をもとに、関節リウマチの発症・増悪メカニズムの解明および分子標的治療薬の薬効発現の機序解明を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光生体イメージング技術を駆使して、分子標的治療薬のin vivoでの薬効評価を行うことができ、平成28年度終了時としては順調に経過している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、様々な分子標的治療薬がRA治療において臨床応用されているが、「分子標的治療薬が生体内で“いつ”、“どこで”、“どのようにして”効果を発揮するのか」、その薬理作用の詳細については不明な点が多い。今後、本研究で確立した蛍光生体イメージング技術を駆使して、作用機序の異なる分子標的治療薬が、病態の“どの時期”の“どの細胞”に“どのような効果” を及ぼしているのか時系列を追って解析し、薬剤間の薬効の差異を評価する。
|
Research Products
(6 results)