2015 Fiscal Year Annual Research Report
Cell Exerciseにおける力学とバイオの統合
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15H05761
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 真 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70224607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 佳宏 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (20647490)
東森 充 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30346522)
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70404994)
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Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2019-03-31
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Keywords | Cell Exercise / 再生医療 / 細胞シート / 圧力印加 / 細胞組織 / 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
“Cell Exercise”の効果を詳細に明らかにするためには、“Cell Exercise”中のどの時間帯細胞組織が活発に変化し、その時間帯でどのような力学特性および遺伝子発現が起こっているのかについてモニターし続けることが重要である。そのため、本研究では細胞培養開始前と終了後の視覚的情報や遺伝子発現に着目するだけでなく、“Cell Exercise”中、培養皿内の動きを連続的に定点観察できる実験システムの構築が必要不可欠となる。この点を踏まえ、平成27年度は以下の項目について研究を進めた。 (1)多機能インキュベータの研究試作:二酸化炭素センサ、可視化機能、圧力印加パターン可変機能を搭載した多機能インキュベータを研究開発するとともに平滑筋細胞を用いて、“Cell Exercise”時の細胞組織構築法の動作確認を行った。なお定点観察を行う関係上、今回は培養液の交換はしない条件に限定した。また圧力印加パターンは周期約4分、圧力最低値110kPa(大気圧からの差分)、圧力最大値180kPa(大気圧からの差分)に限定した。 (2)細胞組織の力学的特性評価:細胞の硬さ特性は、細胞組織表面から深さ300nmオーダまでに着目するミクロな力学特性とそれより大きな変形を与えるマクロな力学特性に分けて考えることができる。平成27年度は原子間力顕微鏡(平成27年度予算で購入)を使って細胞のミクロレベルの特性について調べ、次年度以降に向けての基本動作確認実験を行った。 (3)遺伝子発現計測及び評価:“Cell Exercise”後の細胞組織の遺伝子発現についてリアルタイムPCRを用いて調べ、遺伝子発現の視点から考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
“Cell Exercise”を行う上で最も重要な多機能インキュベータを構築することができ、平滑筋細胞を用いて実際に細胞組織を構築することに成功した。さらにミクロレベルではあるものの細胞組織の硬さ、遺伝子発現といった評価指標として重要なパラメータ計測も行えるようになり、“Cell Exercise”による細胞組織に向けての評価システムも整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のゴールは、細胞群(特に平滑筋細胞)に対して“Cell Exercise”を行うことにより、化学薬品を使うことなく力学的刺激だけで弾力性のある細胞シート(または細胞組織)、さらに細胞シートを管状に巻いた動脈組織、さらには生体への移植手術を行い、最終的には生体動脈組織の一部と見なせるレベルになるかどうかについて調べることである。この壮大なるゴールに向け、多機能インキュベータの基本動作確認が完了した時点で、今後は平滑筋細胞を用いて、遺伝子発現と弾力性を評価指標としつつ、“Cell Exercise”における印加圧力、圧力振幅、印加周波数等をパラメータとして選び、最適条件探索を推進していく予定である。
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Remarks |
上記サイトにビデオをアップしています。
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Research Products
(12 results)