2015 Fiscal Year Annual Research Report
非上場企業の資金調達におけるバイアウトファンドの役割に関する研究
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15H06458
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
雨宮 祐樹 高知大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (70759349)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 経済理論 / コーポレート・ファイナンス / 契約理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,非上場企業に対するバイアウト・ファンドによる投資の役割と社会的意義を解明する理論モデルの構築である.バイアウト・ファンドの役割について論じた既存研究では,上場企業に特有の問題である所有権の分散化を前提として,バイアウト投資の効果を解明している.しかしながら実際のバイアウト投資は,非上場企業を対象とした事例が過半数を占め,そうした事例に対応する既存研究では説明できない役割の解明が必要とされている.本課題に取り組むことによって,金融市場に関する実証研究の指針となる含意を得ることが可能な他,法体系の整備や投資事業の運営に応用可能な含意を得ることができる. 研究作業を,①非上場企業を対象としたバイアウト投資のメリットを明らかにし,バイアウト・ファンドに固有の機能と役割を解明すること,及び②バイアウト・ファンドによる投資が金融市場にどのような影響を及ぼすかを明らかにすること,の2段階に分割し,初年度においては課題①に着手,2年目においては課題②に着手するとともに①の課題を完成させることを予定している. 本年度は研究課題①について,理論モデル構築の方針を検討するため,非上場企業のバイアウト投資に関する既存の実証研究や事例の収集及び整理を行った.またその方針に基づいて,バイアウト・ファンドの,非上場企業を対象とした投資を行うインセンティブについて,理論モデルを用いた分析に着手した.加えて,関連する予備的研究として,非上場企業への投資における証券デザインの問題について理論分析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において,初年度に計画していた研究作業は,非上場企業を対象としたバイアウト投資のメリットを明らかにし,バイアウトファンドに固有の機能と役割を解明することである.本課題について,現時点ではワーキングペーパー等による研究成果の発表には至っていないが,2016年度中の論文完成及び研究発表が可能な見通しが立っている.また,2年目の課題についても,2015年度中に並行して準備作業を進めており,総じておおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目は,非上場企業を対象としたバイアウト投資に関する既存の実証研究や事例の収集及び整理をほぼ完了させている.2年目においては,現在進めている理論モデルの分析作業を継続するほか,研究課題の2つ目である,バイアウト投資の金融市場への影響の解明に着手する.これらについて,ワーキングペーパーの作成,及び研究発表までを目標とし,研究作業を進めていく予定である.
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