2016 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainability Improvement Process of Community by Rural Tourism promotion in rural Italy
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15H06622
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
五艘 みどり 帝京大学, 経済学部, 講師 (00508608)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | アグリツーリズモ / 持続的農村 / ボルツァーノ自治県 / カンパニア州 / ピエモンテ州 / 農村観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2回の現地調査と文献調査を実施した。現地調査は、8月に14日間カンパニア州ソレント半島およびピエモンテ州のブラとバルバレスコ、3月に11日間北イタリアのボルツァーノ自治県で実施した。 ソレント半島はアマルフィ海岸等を含み観光産業が盛んだが、観光の波及効果は農業には及ばなかった。そこで第730号法制定の時期に家屋を改修し観光事業を行う農家が増加した。特産のレモン・トマト等は観光土産となりその品質と認知度を高め、一部のアグリツーリズモでは農産品加工業など事業の多角化に成功し経済的効果を得た。だが近年のカンパニア州のアグリツーリズモ数は減少傾向にある。理由としてアグリツーリズモを推進するための組織的な支援が十分ではなく、農家自身の集客努力が不可欠で、十分な集客ができない農家はアグリツーリズモから撤退したと考えられる。 ピエモンテ州のアグリツーリズモは宿泊者の食材の供給圏域が限定され、食を重要な地域資源として活用していた。ブラで発祥したスローフード活動の影響もあるが、それより1970年代以降の農業の方向転換が影響している。バルバレスコなど高級ワイン製造に成功した地域では、急傾斜かつ狭小な耕地ゆえに大量生産が不向きであったため、少量高品質の農産物生産へ舵を切った。またトリノを中心に自動車産業が発展し、農家の近地での兼業を可能にした。自動車産業で得た収入の一部は農家へ送られ、農業設備を向上させる資金となった。ピエモンテでは1970年代以降、工業化で農村人口は流出したが、同時に資金が都市から農村へ回り農業を強くし、再度農村に人口を戻した。 ボルツァーノ自治県は日本の中山間地域と地理的類似があり、近年アグリツーリズモの発展も著しいため再調査に至った。ボルツァーノは国内最大の農村女性組織が1970年代から活動し、女性が経営を担うアグリツーリズモ発展の一因になっていることがわかった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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