2016 Fiscal Year Annual Research Report
The influence that the wearing of the mask gives in phonetic convergence
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15H06787
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中瀬 雄大 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (30758826)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 同調傾向 / マスク / 基本周波数 / 音量 / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師がマスクを装着して話す際の声の聞き取りづらさを緩和するために、マスク装着時の話し方が通常とは異なるということに着目し、マスク着用時と非着用時では音声の同調傾向の発生に違いが生じるかを検討した。 実験参加者は10組20名であった。2者による自由対話を5分間行い、対話者の片方だけマスクを装着するマスク装着群と、どちらも装着しない非装着群とし、両条件を同一被験者が行うクロスオーバー法で比較した。会話を録音し、基本周波数と音量について分析を行った。5分間の会話を30秒毎の10区間に分割して、その30秒の区間ごとに同調傾向が発生しているか分析した。なお、同調傾向の指標としてPearsonの積率相関係数を用いた。 その結果、基本周波数において、マスク装着群では5区間でr=.700~.867(p<.05)と強い相関を示した。よって、マスクを装着していても同調傾向は認められた。一方、マスク非装着群でr=.817(p<.01)と高い相関を示したのは1区間だけにとどまった。つまり、マスク装着群の方が強く同調傾向を示したと言える。また、対話開始直後は有意な相関は認められなかったが、2分経過後より高い相関を認める頻度が増加した。マスクを装着することで相手の声を聴き取りづらくなるため、マスクを装着しない場合よりも相手の話を聞こうとする姿勢が強く表れ、結果として相手の基本周波数に合わせることができたと推察される。 音量については、マスク装着の有無にかかわらず有意な相関は認められなかった。これは1回の発話時間が長く、30秒の区間で一方のみが発話し、もう一方は相槌がほとんどの時間を占めていたというケースがあった。「うん」など相槌だけでは、発話と比して音量の変化が小さかったことが影響したと考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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