2016 Fiscal Year Annual Research Report
Adsorption behaviors of cesium and selenium on biogenic iron oxyhydroxides
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15H06903
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 早希子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム, ポストドクトラル研究員 (50758852)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 水酸化鉄 / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、天然に広く存在する微生物由来の水酸化鉄(Biogenic iron oxyhydroxides: BIOS)が微量元素の挙動に与える影響を評価することを目的に、BIOSへのSe(IV, VI)およびCsの吸着を無機水酸化鉄と比較した。昨年度までの研究で、BIOSは無機水酸化鉄よりも陽イオンのCsを吸着する一方で、陰イオンのSe(IV, VI)は無機水酸化鉄より吸着しないことがわかっている。本年度は上記の違いが生み出される要因を明らかにするため、BIOSと無機水酸化鉄の表面電荷および、CsとSe(IV, VI)の吸着構造を比較した。 ゼータ電位測定の結果、BIOSは大部分のpH条件で負の電荷を帯びている一方、無機水酸化鉄は正の電荷を帯びていることが明らかになった。したがって、BIOSが陽イオン(Cs)と陰イオン(Se)で対照的な吸着能を示す要因は、電荷的な効果によるものと考えられる。一方で、吸着量の減少はSe(IV)に比べてSe(VI)の方が顕著であり、特にpH>5でSe(VI)は殆どBIOSに吸着しない結果が得られている。X線吸収微細構造解析から、Csおよび Se(VI)はBIOSと無機水酸化鉄に対して外圏錯体を形成するのに対し、Se(IV)は内圏錯体を形成して吸着することが明らかになった。このことは、CsおよびSe(VI)の吸着が電荷的な影響を受けやすいのに対し、Se(IV)が固相との化学結合によって相対的に電荷的な影響を受けにくいことを分子レベルで示している。以上の結果より、BIOSへのCs, Se(IV), Se(VI)の吸着は、共存する有機物やシリカなどの主に電荷的な効果によって無機水酸化鉄とは異なる特性を示す一方で、その影響の度合いは固相への吸着様式により変化することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Comparative Analysis of Microbial Communities in Iron-Dominated Flocculent Mats in Deep-Sea Hydrothermal Environments2016
Author(s)
Hiroko Makita, Sakiko Kikuchi, Satoshi Mitsunobu, Yoshihiro Takaki, Toshiro Yamanaka, Tomohiro Toki, Takuroh Noguchi, Kentaro Nakamura, Mariko Abe, Miho Hirai, Masahiro Yamamoto, Katsuyuki Uematsu, Junichi Miyazaki, Takuro Nunoura, Yoshio Takahashi, Ken Takai
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Journal Title
Applied and Environmental Microbiology
Volume: 82
Pages: 5741-5755
DOI
Peer Reviewed
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