2015 Fiscal Year Research-status Report
人の情動変化の低負担検出と円滑なヒューマンロボットインタラクションへの応用
Project/Area Number |
15K00385
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大須賀 美恵子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10351462)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低負担計測 / 心拍 / 呼吸 / 眼球運動 / 感性ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)環境埋め込み型センサによる心拍・呼吸計測手法の改良:研究協力者のテイ・エステック・杉山慎二主幹より,容量結合型電極の提供を受け,スプリングのついた事務椅子の背もたれにエアバッグを4つ配置しその表面と座面にこのセンサを装着し,PC作業中の被測定者の心電図を計測した.同時にエアバッグの圧力変化で呼吸を計測した.心電図は実験参加者8名全員で大きな体動が生じたとき以外で良好に計測でき,以前の計測手法と比べ大幅な改善が見られた.一方で呼吸計測は不備が多く改善余地があることがわかった.そこで連携研究者の日本大学・生産工学部・栗谷川幸代准教授らの開発した座面に圧力センサを組み込んで計測する手法に切り替えることとした. (2)モバイル式の心拍・呼吸計測手法の開発:胸部に電極と増幅および通信機能を持つ小型装置を張り付けて心電図を計測する装置を入手し,これで心電図RR間隔が正しく計測され送信されることを確認した. (3)眼球運動・脳波の簡便計測装置の試作:JINS社から発売された眼電図計測が可能な眼鏡(JINS-MEME)を導入し,計測テストを行った.この装置購入前に,これを模した電極配置の装置を試作して取得した眼電図より独立成分分析を用いて眼球運動の水平・垂直成分を分離できることを確認した.JINS-MEMEで取得したデータは時定数が異なるため,事前検討していた手法が利用できないことが判明し,対処方法を検討中である.1chの小型無線式脳波計を入手し,自作のヘアバンドと市販のゲル電極を用いてペースト不要な計測を実現した. (4)人の状態・情動変化推定手法の検討:過去に蓄積したデータを用いて,人の状態や情動変化を推定する手法の検討を行った.関連する学会に参加して情報を収集するとともに,連携研究者と情報交換・議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デスクワークやTY視聴など座位での心拍・呼吸の低負担計測はめどがたっている.また,ウエラブルの眼電・脳波計測も可能となっている.当初予定していた人の状態・情動変化推定方法の検討は実働はやや遅れているが,調査や議論は進めており.次年度計画の遂行には支障がない程度である.
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Strategy for Future Research Activity |
椅子型の心拍・呼吸計測装置を特注し,平成29年度に予定していた公開実験を前倒しで実施することを検討している.この準備と実施を優先し,ウエラブル計測手法の改良は,検討と一部実施にとどめ,次年度に持ち越すこととする.
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